タイムカードの電子化が加速!Webやクラウドで出勤簿を管理する場合の注意点とは

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

タイムカードは、従業員の労働時間を管理するツールとして、長年利用されてきました。機械が打刻することで、出勤時刻や退勤時刻を本人や上司が手書きで記入するよりも信頼の置ける客観的な記録が残ります。

しかし、間違いが入り込む可能性はありますし、残業代のためにわざと遅く押すなどの不正をしようとする人が出てしまうかもしれません。このように完全なツールではありませんが、長所が多いのでこれまで広く使われてきたのです。

最近ではタイムカードも改良されてきました。たとえば、打刻のデータをパソコンに送ることができるとか、そこから労働時間を算出して給与計算までしてくれるとか。そうなると当然思い浮かぶのは、タイムカードを電子化してしまえばもっと便利なのではないか、ということです。

タイムカードの電子化は簡単?

紙のカードに印刷されるタイムカードに代わり、ICカードなどを機械にかざして電子的な記録を付けるタイムカードが登場しました。さらに最近では、タブレット用のアプリでタイムカードの機能を備えたものが登場しています。

これらを使えば、タブレットの画面をタッチするだけで時刻を記録することができます。ですから、出勤と退勤の打刻の手間が軽減されることになり、従業員の多い会社でははっきりと違いが分かることでしょう。

電子化されたデータは当然ながら、会社のパソコンと連動させることができます。そうなれば、毎月の賃金の締日が過ぎてから、大量のカードを一枚ずつチェックして給与ソフトに転記していく手間もかかりません。出勤記録をエクセルなどで出力することもできるので、記録の保管も省スペースでできるようになります。

従来型のタイムカードの場合、タイムレコーダーという装置の価格は安くありません。電子化されたタイムカードの場合もデバイス機器を準備しなければなりませんが、様々な価格帯で提供されており、紙のタイムカードよりも高額というわけでもありません。これからタイムカードを導入しようと考えている会社であれば、まず電子化されたタイムカードを検討するのはいかがでしょうか。

クラウドに保存することのメリット

さらに、従業員の労働時間の記録を会社のパソコンに保存するだけではなく、Webを介してクラウドに保存する方法もあります。今や、勤怠管理クラウドは種類が豊富にありますので、予算や用途に合わせて、適切なものを探すことができます。このクラウドでの管理には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

・場所を選ばない

最大の特徴は、Webを利用環境であれば場所を問わずに労働時間を確認できるということです。労働時間というデータが必要になる場面として、給与計算業務のことを考えてみてください。

給与計算の担当者は全従業員の労働時間を知る必要がありますが、全国に支店・支所がある企業や、給与計算をアウトソーシングしている企業の場合、データがすべて担当者の元に届くまでに時間がかかってしまいます。

しかしクラウドに保存されているデータなら、Webを利用することで、給与計算の担当者が手元ですべて確認することができるのです。これで大幅に時間を短縮できます。もちろん、給与計算ソフトと連動しておくなら、さらにスピードアップを図ることができます。

・時間を選ばない

もう一つの特徴は、リアルタイムで労働時間を把握できるということです。デバイスを操作した時点で、クラウドには出勤時刻や退勤時刻のデータが送信されます。Webに接続できる環境にあれば、そのデータを確認することができるのです。

たとえば、上司が出張している場合に、部下が本社に出勤しているかどうかを確認することができます。また、上司が定期的に部下の労働時間をチェックして、過度の負担を強いられている者がいないかどうか確認することができます。人員配置に役立てることもできるでしょう。このようなことは1か月のデータがまとまってから考えるのではなく、随時判断を下していくことが肝要ですので、Web上でリアルタイムに労働時間を把握できるクラウドは大変有効です。

リスクはないの?

電子化するうえでの最大のリスクは、その移行するためのリスクでしょう。経費が発生しますし、環境の変化に従業員が慣れなければなりません。使っているうちに、予想外のバグが起こることもあります。

注意点としては、電子的な処理による不正がないよう、手動で時刻などを変更する権限を一部の管理職に限定することや、変更履歴を保存しておくことなどが有効です。また、クラウドを導入している会社に共通ですが、出勤簿などの個人情報が流出しないよう、セキュリティ対策をしっかり講じてください。

覚えておきたいことですが、タイムカードでの勤怠管理にもリスクはあります。冒頭で述べた通り、完全なツールではないのです。不正行為に対しては、就業規則や雇用契約書などで罰則を定めておくことが不可欠です。

まとめ

タイムカードの電子化には様々なメリットがあります。とりわけ毎月の給与計算において、大幅な時間短縮と業務の効率化が可能になります。労働時間の記録を社内のパソコンに取り込むだけでなく、Webを介してクラウドに保存することも検討してみる価値があります。管理職が従業員の労働時間を随時確認できるなら、労務管理において有用でしょう。

電子化に伴い、個人情報の扱いには注意点もありますが、これは今後どの企業にも求められることです。現在では多種多様な勤怠管理クラウドが出ており、導入するための初期費用や毎月の支払いプランもそれぞれ異なっています。企業によってニーズは異なりますので、まずは情報収集を始めてみるのはいかがでしょうか。

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『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。