人材を採用する場合には将来にわたっての人員計画も考慮しなければなりません。

将来的にどのぐらいの社員数にしたいのか、最低でも何人程度の人員数などを確保していきたいのか考えながら採用人数を決めていくということになります。このような要員管理と人員計画に考え方についてご紹介していきましょう。

しっかりとした人員計画を立てることで適切な採用人数が把握できるようになっていきます。

定員管理について

採用数を決める場合には、まず会社全体で総勢何名ぐらいの人数を維持していきたいかを考えてみましょう。

できたばかりの会社であれば人員数を増やすことも考えなければなりませんし、業績が悪化してリストラまで考えている会社であればこれ以上は人数を増やしたくはないものですよね。

まずは全体の人数を増やすのか、減らすのか、維持するのかといったことを考えてみましょう。

その際に注意したいポイントは以下の点です。

  • 希望退職者数を考慮する
  • 定年退職者数を考慮する
  • 正社員以外のパートや派遣の人数についても考える
  • 人件費の推移をデータ化する

採用計画を考える際には過去5年ぐらいの退職者数のデータを表にして、定員数を決める際の重要な資料にしましょう。その際に、退職理由別に分けて、毎年平均何名が退社するのかといたことを考慮してその人数分を穴埋めする分も考慮して採用人数を決定しましょう。

 また、正社員は増やさない場合でも派遣社員やパートで賄う予定もあるのか考えてみましょう。正社員としての採用でなくとも派遣社員としての人件費も安くはないので、人員計画の考慮に入れたいところですね。また、過去5年ぐらいの人件費なども推移もデータ化して、増えすぎたりしていないか、業績と比べて維持していける金額なのかを考慮してみましょう。

要員管理について

採用人数を決定する際には、人事側の会社全体の「採用できる人数」だけではなく、「現場で必要な人数(要員)」も考慮しなければなりません。

採用人数を決める際には各部門に新たな人材を採用する必要があるか、必要な調査をするようにしましょう。必要な人員数を把握するということも採用計画の策定に必要な要員管理になります。
特に以下のような場合は従業員を増員するかどうかの検討が必要になります。

 

  • 残業時間が多すぎる
  • 休職者が出ている
  • 退職者が多い
  • 育児休業の取得者又はその予定者がいる
  • 新たに事業拡大をする計画がある
  • 若手が育っておらず、若年層の人材育成が必要

 

採用人数の決定のためには以上のような現場の必要人数も考慮するようにしましょう。

また、現場で必要な人員数だけではなく、教育訓練や、現社員のキャパシティの状況、設備投資で人件費が抑えられるか、といった総合的なことも考慮していくことも要員管理になります。従業員の残業が多い時には残業規定を設けたり新たな休暇制度も設けたりして、今いる人材での生産性の維持・向上に努めていくことも要員管理として大切なことです。必要な人員数の把握のために現場の声を聞く際には、従業員が良好な状態で勤務できているかも併せて確認してみましょう。

人員管理について

必要な採用数を決定するためには、長期的な視野で必要な人員数を把握する必要性があります。
以下の点を考えてみましょう。

  • 5年後に若手、中間層、管理職数など必要な人員数がバランスよく確保されているか
  • 生産性を向上させるために、大規模な増員は必要ないか
  • 派遣社員などで人件費を抑えることはできないか
  • 社員の平均年齢が高すぎたり低すぎたりしないか
  • 必要なのはこれから育てる若手なのか即戦力となる経験者なのか

人件費は社員一人を維持するだけでも膨大な費用となります。一度に多くの人数を増やすことは社内の財政事情的に無理があるので、毎年10名ずつ増やしていくことで5年後に50名を増大させるといったように、少しずつ増やしていく方法の方が確実です。その際も毎年出る退職者の数も考慮しましょう。

 また、人件費を抑えるために一定の期間だけ派遣社員と契約するとか、請負業者に委託したりするかといったことを考えても良いでしょう。実際に給与計算や社会保険の業務を専用の代行会社に委託することで、人事部の人数を減らすことに成功している会社も増えています。

さらに、新人ばかりがたくさんいても教える社員が確保できないようであれば、中途採用者を増やした方が社内の労働生産性は向上するケースもあります。

最近の中途採用では5年ぐらいの中堅層から管理職経験のある40代まで、さまざまな年齢層の人が転職活動を行っています。転職エージェントに依頼するとこちらの希望の経歴に沿った人材を紹介してもらえるので、必要な年齢層なども考えて採用計画を立てましょう。

代謝管理について

会社の採用計画を考えるときにに社内の人材を大規模に入れ替える代謝が効果的な場合もあります。勤続年数が長い社員が大多数を占めている場合は若手や新人を多くしたり、特定の部門の経験者を多くしたりすることでも社内の雰囲気が変わって、活性化してくるかもしれませんね。採用計画を考える際にはこの「代謝」も意識しましょう。
例えば以下のような施策の実行で社内人事の代謝が進むのではないでしょうか。

  • 異業種での経験がある人材を採用する
  • 同業他社の経験がある人材を採用する
  • 支店が複数ある場合には転勤を盛んにしたり、現地採用を積極的に行ったりする
  • ルーティンワークには派遣社員を大量に投入する
  • 早期対象者を募る(業績が悪化している場合)

社内の人材を入れ替えるというと大げさになってしまいますが、社員の「代謝」ということを意識して採用計画を考えてみると、社内の人員構成が大きく変わります。

社内の雰囲気が大きく変わることで会社にも良い変化が訪れる可能は大いにありますので、採用計画を考える際には人員の「代謝」も意識してみましょう。

まとめ

人員の採用数を考える際には以下のポイントを大切にしましょう

  • 将来にわたっての会社全体での必要な人数を考える定員管理
  • 現場での必要な人員数を考慮する要員管理
  • 長期的視野で会社の必要な人員数を把握する人員計画
  • 社員の入れ替えを意識することで会社を活性化する代謝管理

採用人数を考えるにあたっては将来にわたって必要な人数を把握することが大切です。

 また、現場の声も聞きながら、どの部門でどのぐらいの人数が必要なのかを、中途採用や派遣社員の投入なども視野に入れながら考えると良いでしょう。会社が設立して相当年数経っている会社も、できて数年の新しい会社も社員の「代謝」と意識も考慮して採用計画を考えてみて下さい。

いずれも人員を採用することで、今の社内の人事状況を良くするということを意識しましょう。会社は人によって成り立ち、人が利益を生み出します。人材の良し悪しで業績や会社の雰囲気も大きく変わってきますので、採用というのは会社にとって大切な使命を背負った仕事だと理解して、十分な計画のもとに採用計画を立てましょう。

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『バックオフィスの基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。

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