システムエンジニアから社労士に転身。セミナーも多数開催。 <社労士の横顔:和田 昌代氏>

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

masayo wada

全国各地の社会保険労務士に、その人となりを聞くインタビュー。今回は、札幌市中央区にある「ぽぷら社会保険労務士法人」の代表、和田 昌代さんのお話を伺います。

 

親の介護、子育て、親の死を経て社労士に

ー 社労士になるまでの経歴を教えてください

大学を卒業後、東京にあるコンピュータソフトウエア開発会社にシステムエンジニアとして就職し、販売管理や給与計算など業務ソフトを設計開発していました。

業務ソフトというのは、当たり前ですが、業務を自動化するためにあります。販売管理や給与計算のソフトをつくるためには、当然のように経理や社会制度について理解する必要があります。そのため、当時から経理や労務についての法律や実務を勉強していました。

入社後数年経って、札幌の母親が病気になり、札幌にUターンしました。看病の合間の、少し空いた時間に資格を取ろうと思い、経理学校に通いはじめました。その時初めて、社労士という資格があるという事を知りました。でもその時は、社労士という資格のニーズに懐疑的でした。笑

しばらくして、税理士事務所に就職することにしました。そこで働いていた時に、税理士の先生から「社労士を取ってくれたら助かるな」と言われました。でも当時、とっても遊びたい時期だったので本を買っただけで放置してしまいました。

その後、ソフトウエア業界に一旦戻りたいと思い再転職しました。久しぶりのコンピュータ業界。進歩についていくのに遅れはじめ、これから先ずっと続けていくという未来予想を立てづらくなりました。そんな時、退職したとして何をするべきか考えました。その時、初めて真剣に社労士の資格を取ることを決意しました。手始めにファイナンシャルプランナーの資格を取得し、その後本格的に社労士試験の勉強を開始しました。

いざ受験勉強を始めてからは仕事、親の介護、子育て、親の死を経験し、4回目のチェレンジでやっと合格できました。

社労士の仕事を始めたときは、実務経験も少なく、お客様もない手探りの状態でしたが、知れば知るほど私たちの生活に密接な制度を扱う資格であり、私の今までの人生の経験を活かすことができることにやりがいを感じました。

資格取得から4年後に現在のぽぷら社会保険労務士法人を設立しました。

 

労働法関係の頻繁な改正やトラブルの多発で「専門家に相談する時代」に

ー どんなお客様が多いですか?

従業員数が3、4名から30人程度の中小企業が中心で、業種は小売店、医療関係、建設関係、飲食店など様々です。また、地域も事務所がある札幌に限らず道内各地や東京、名古屋などにも顧問先があります。もともと札幌で知り合った方が北海道を出て事業を始めるときに顧問の依頼を受け、そこから紹介で繋がったものです。実際の処理では電子申請やメールの発達で手続きに関しては距離を感じなく不便はほとんどありません。

事務所を開業した当時は手続き業務と助成金コンサルが中心でしたが、今は手続き以外に就業規則、労働管理や労務トラブルなどの相談が主となってきました。労働法関係の頻繁な改正やトラブルの多発でより専門家に相談する時代になっていることを実感しています。 他に年金制度・社会保険制度・労務管理などの企業内や同業者集会のセミナー依頼が増えていますが、いかに正しい情報をわかりやすく発信するか専門家としての責任と思っています。

「残業」の概念ひとつとっても、多面的に考えて取り扱う必要があります。

ー 読者の方にメッセージをいただけますでしょうか?

手続きや法律について聞くことを遠慮する方がいらっしゃいますが、その為に社労士はいます。社労士は書類を書くだけではなく、一つの事象にそれに関係する法令などをふまえ広範囲にアドバイス・判断できる存在だと思っています。たとえば「残業」の概念ひとつとっても、多面的に考えて取り扱う必要があります。

一「残業」についての、何かエピソードを教えてください。

Aさんは入社して1週間、上司が親睦を図るためと仕事が慣れたかなど話を聞きたいと思い鮨屋に誘いました。Aは即答で付いて行き、高級なネタを次々と頼みました。食事も終える頃に本人から「この時間は残業時間ですよね。」と一言。上司は本人の自由に任せたはずで、誘われて嫌な顔もせずにいたので驚愕でした。それから上司はAさんと距離を置くようになりました

この事例は、立場によって色々な印象があるかと思います。

従業員側は、上司から誘われたらから断れないので仕方がないから一緒に行った。上司側としては、拒否権があったのだから自由意志でついてきたはず。散々高いものを食べて残業代を請求する性格は、今後も自分の要求だけをして少しの事でも大騒ぎするのでは。要注意人物認定!

会社の研修会や歓送迎会などで本人の自由意志で参加不参加を決定できるなら労働時間とはなりませんが、強制参加や不参加により今後の査定に影響する場合などは労働時間となります。

ただ、上記の従業員側の主張をされるとその職場状況、上司や部下の日常の関係などから判断することになります。一つの事例もサイコロの目のように他方向からの見方ができるため単純ではないです。

ちなみにこの事例のAさんは、その後まもなく自己都合退職したそうです。

「ぽぷら社会保険労務士法人」について

顧問契約をした場合に受けられるサービス

  • 社員の入社/退職時の雇用保険、社会保険(健康保険・厚生年金)の資格取得/喪失の手続き
  • 社員の扶養家族が増加/減少した時(結婚・出産・離婚・死亡など)に生じる健康保険証の変更手続き
  • 社員の住所や姓名に変更があった時(結婚など)の雇用保険・社会保険などの変更手続き
  • 社員の健康保険関連の給付(出産一時金・傷病手当金)手続き
  • 社員の業務上/通勤途中のケガ(いわゆる労働災害(労災))の発生時に生じる手続き
  • 社員の毎月の給与計算や勤怠管理業務
  • 労働保険料の1年間分の保険料を計算して申告する業務(年度更新業務)
  • 1年一回、社員一人ひとり個別の社会保険料を計算して申告する業務(算定基礎届)
  • 健康保険関係の給付(出産一時金・傷病手当金)手続き
  • 会社が移転したり、支店や拠点が増減した場合の労働・社会保険上の手続き
  • 高齢者雇用継続給付、老齢・遺族年金相談、定例調査

顧問契約の費用感

  • 初期費用:原則無料
  • 従業員10人までの会社の顧問料:1〜3万円/月。規模・業種により変動
  • それ以上の会社の顧問料の考え方:規模・業種により変動

顧問契約外のサービス内容・料金

ー 顧問業務以外で、依頼の多い仕事Best3を教えてください。

  1. 就業規則:30万円〜。詳細は応相談。
  2. 助成金コンサル・申請:顧問契約客以外は着手金3万円+助成金の成功報酬の15%~20%。※助成金内容によって異なります。
  3. セミナー講師:多いテーマは「年金制度」「労務管理」「社会保障制度」等です。1時間で3万円程度からとなります。

過去に実施したセミナー例

定年を控えた50代の方向け社内研修

  • 場所:開催する会社の会議室
  • 人数:15人程度
  • 題材:老齢年金の仕組み。特に年金をもらいながら働く場合の年金調整

社内研修 全社員向け

  • 場所:社内会議室
  • 人数:50人
  • 題材:社会保障 「ある家族の一生」 。ある男女の就職、資格取得、結婚、出産、死別などの様々な場面でかかわる社会保障について。知っておきたい制度について

医療系自主団体(医療系勤務の方たちが勤務先を超えて勉強するためのグループです)

  • 場所:某病院会議室
  • 人数:130人程度
  • 題材:労基法・労務管理の基礎知識。労基法の基礎知識、労務管理の注意点、職場のトラブルの事例などをクイズを出題して知識確認

某協会の会員向けセミナー

  • 場所:ホテル
  • 人数:300人程度
  • 題材:パワハラ。パワハラとは何かから、問題ある職場・対応すべきことなど

某同業主の集会

  • 場所:会議室
  • 人数:12人
  • 題材:労基法の基礎。私ともう一人の社労士2名で、ときどき対話形式で見解を述べたりしながら労基法の見方や判断などを解説

他多数ありますが、基本的にすべてできるだけ平易な言葉で具体的な事例を交えた説明を心がけております。

問合せ先

事務所名:ぽぷら社会保険労務士法人

住所:北海道札幌市中央区北1条西7丁目3 おおわだビル

業務対応可能エリア:北海道、関東圏、名古屋圏

営業時間:平日 9:30~17:00

電話番号:011-207-1700

メールwada@popula.ac

Webサイトhttp://popula.ac/

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『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。