<社労士の横顔シリーズ> 高田茂弘 氏(高田社会保険労務士事務所)

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

高田茂弘 氏(高田社会保険労務士事務所)

全国各地の社会保険労務士に、その人となりを聞くインタビュー。今回は、京都市伏見区にある「高田社会保険労務士事務所」の代表、高田茂弘氏に話を伺います。

 

定年まであと3年。大企業を退職し、社労士として再スタート!

ー 社労士になった経緯・きっかけを教えてください。

生まれ育ったのは、京都府宇治市でした。大学を出た後、2年足らず出版社に勤務したのですが、その後、公募を知って全国紙の新聞社に記者職で入社しました。そして各地を異動しながら、定年間際まで勤めました。

記者生活では経済畑が長く、若い頃から労働問題や社会保障、企業の動向などに関心を持っていました。

社労士への転身を思い立ったのは、定年まで3年となった平成23年末。書店の階段踊り場に貼ってあった資格試験予備校の「社労士講座、受講生募集」のポスターを見たのがきっかけです。

取締役はもちろん、編集局長になれるアテもない(笑い)。しかし、まだまだ元気。根性も残っている。この際、士業に大化けして第二の人生を」と発奮し、社労士について少しずつ調べながら、在職(最後は大阪本社編集委員)で仕事をこなしつつ資格取得の勉強に励み、運良く1回の受験で合格できました。

余力でファイナンシャルプランナー技能士2級や年金アドバイザー3級の試験にもパスし、さばさばと会社を「選択定年退職」し、25年秋に社労士登録しました。

自宅は奈良県生駒市ですが、京都府下の生まれ育ちで土地勘があり、中小企業の集積度は奈良の数倍。何より京都が好きだということで、伏見区の外れにある、親戚保有の戸建てを借りて開業に踏み切りました。

ー 独立されて、いかがですか?

一見畑違いへの転身に見えるかもしれませんが、開業3年を過ぎて実感するのは、人と会って話を交わし、分からないことは勉強を重ね、素早く的確に作業を進めていくという点で、記者と社労士、あるいは士業全般には通じるものがあるように思います。

30年を超える記者活動で培ったフットワーク、好奇心・向学心・探究心、社会に対する問題意識は衰えていませんし、割と(いい意味で)要領がいいので、楽しく日々を過ごしています。

事業に専念していたい経営者や、公的年金の受給を求める方々の「お役に立てた」「お手伝いできた」と納得できる場面が多く、徐々に軌道に乗り始めたいま、社労士に転身して良かった、と喜んでいるところです。同時に、まだまだ余力があります。

ー お話をお伺いしていて、こちらも大変ワクワクしてしまいます。笑

京都だけでなく、奈良、滋賀両県にも原則無料で出張

ー どのようなお客様が多いですか?

中小企業との顧問契約やスポットの案件依頼の多くは、知人からの紹介やホームページ経由のご相談に始まり、原則としてすべてに対応しているため、業界や業種はまちまちです。

エリアも京都だけでなく、奈良、滋賀両県に広がっており、車で片道1時間半ぐらいまでなら喜んで「出張無料相談」や「無料打ち合わせ」に出向いています

一方、個人からのご相談で手応えを覚えているのは、公的年金の裁定請求の代行です。老齢、障害、遺族の三つの年金ジャンルのうち、障害年金はご自身で支給を求めるのはなかなか難しく、社労士が代わってさまざまな準備を進めることが多いといえます。

私は対中小企業がメインなので、公的年金にかかわるご相談は延べでまだ10件足らず。とはいえ、周到な準備のうえで裁定請求を代行した全部で年金の支給開始決定を勝ち取っており、いつも「お手伝いできて良かった」という充実感・達成感を味わっています。

手間ひま惜しまず、差し引きプラスの価値提供がモットー

ー 読者の方に、メッセージをお願いします。

実務をお引き受けする顧問先・依頼元に対する私のモットーは二つ。いずれもシンプルなものです。

一つは「手間ひまは惜しまない」。煩雑な労働社会保険手続きを中心に、顧問先・依頼元の手間を最小限にし、その分、私が最大限の労力を提供していくということです。

顧問先・依頼元があれこれの予定外の余計な準備を強いられるようでは、何のための社労士への委託か分かりません。「社長からは基本的な資料をお預かりするだけ。あとは、私が用意する書類にハンコをもらうだけ」。私がよく口にするフレーズです。もちろん、受任に始まる一連の打ち合わせでは、念入りな説明を怠りません。

もう一つは、顧問料やスポット委託料を上回る、有形無形の「差し引きプラス」を必ずクライアントにお戻しする、ということです。

分かりやすいのは、各種助成金などで確実に支給決定通知を勝ち取ること。そうなれば、国から受け取る助成金で数カ月分、ときによっては1年分以上の顧問料が「相殺」できてお釣りが来ますし、支給決定通知後、一部を成功報酬として受け取る際の配分比率(5~15%)は、業界相場からみても割安だと考えています。

また、給与計算では賃金制度の見直しを提案し、就業規則・労使協定では現行及び近い将来の労働法規の改正を見据えた作成・改定を心掛け、あるいは人事労務面でのトラブルを未然に防ぐ条文を加味するなど、目に見えないながらも中期的に会社の経営面においてもプラスの効果が出るようにしています。

ー イメージが大変わきやすいご説明だと思いました。ありがとうございます。

「高田社会保険労務士事務所」について

顧問契約をした場合に受けられるサービス

  • 社員の入社/退職時の雇用保険、社会保険(健康保険・厚生年金)の資格取得/喪失の手続き
  • 社員の扶養家族が増加/減少した時(結婚・出産・離婚・死亡など)に生じる健康保険証の変更手続き
  • 社員の住所や姓名に変更があった時(結婚など)の雇用保険・社会保険などの変更手続き
  • 社員の健康保険関連の給付(出産一時金・傷病手当金)手続き
  • 社員の業務上/通勤途中のケガ(いわゆる労働災害(労災))の発生時に生じる手続き
  • 社員の毎月の給与計算や勤怠管理業務
  • 労働保険料の1年間分の保険料を計算して申告する業務(年度更新業務)
  • 1年一回、社員一人ひとり個別の社会保険料を計算して申告する業務(算定基礎届)
  • 健康保険関係の給付(出産一時金・傷病手当金)手続き
  • 労働局(労働基準監督署、ハローワークを含む)及び日本年金機構による調査等への対応

顧問契約の費用感

  • 初期費用・着手金:原則無料
  • 従業員10人までの会社の顧問料:〜1.5万円/月
  • それ以上の会社の顧問料の考え方:従業員さんの人数や受託する作業内容を踏まえて設定しています。向こう1年を期間とする顧問契約時に、代表の方と話し合って水準を決めています

顧問契約外のサービス内容・料金

ー 顧問業務以外で、依頼の多い仕事Best3を教えてください。

 

1. 助成金の申請代行

厚生労働省所管の助成金は数が多く、しかも頻繁に助成対象や助成内容が変わります。これらをチェックして顧問先や顧問先候補(スポットの依頼元)にご提案し、迅速に準備を進めて確実に支給決定を勝ち取るべく、努めています。

支給後の成功報酬は案件ごとに協議して決めていますが、顧問先の場合は助成金額のおおむね5~10%、顧問先以外のスポットでも7~15%ほどと、「業界相場」と対比しても割安な設定だと思います。

なお、助成金とは別に、業務上及び通勤時の災害を対象にした労災保険の手続き代行も当然引き受けており、休業補償や障害補償、遺族補償などが継続的に、または一時金として支給される場合があります。しかし、労災保険の支給は被災した労働者に対してのものなので、当事務所は原則として報酬を受け取らないことにしています。

 

2. 就業規則の作成・改定

就業規則は「職場のルールブック」。労働市場の変化に伴って人事労務面でもさまざまなトラブルが発生しかねず、それらを未然に防ぐために、または労働者に働きやすい職場だと納得してもらうために、または各種助成金の受給要件を満たすために、その都度、就業規則を改定していく必要が生じます。10人以上の事業所には、作った就業規則を監督署に届け出る義務もあります。大企業の就業規則を転用し、あるいは市販やネット上から入手できる就業規則がそのまま使えるという時代ではないように思えます。

とはいえ私は、就業規則の作成・改定費用の「業界相場」はいささか割高ではないか、と考えています。作成済みの就業規則がWORDなどのデータに保存してあり、その一部を改定する、というだけの作業なのに、あざとい費用を請求する例がある、とも聞きます。就業規則の作成・改定には「意外にコストがかかる」という経営者側の警戒感が折々の必要な改定等にブレーキをかけているのでは、とも推察します。就業規則は、機会をみつけて頻繁に改定した方がいいと思われますので、「製本化」などは、中小企業の場合、率直に申し上げてムダなコストではないか、と考えています。

当事務所の就業規則の作成・改定費用は、顧問先の場合、データが揃ったうえでの簡易な改定なら、事前打ち合わせを含めても数万円、場合によっては顧問報酬に含めてしまう(無料)という対応にしています。一からの就業規則作成でも事前に料金について協議して決めるので、「あざとい請求書」をお送りすることはありません。パートタイマー等就業規則、賃金規程等を含む就業規則の作成・改定作業はこれまでにスポットを含め10件以上手掛けているものの、社労士の報酬自体が自由化されたいま、費用の面で問題が生じたり、追加分を求めたことはありません。

 

3. 障害年金の裁定請求

公的年金のうち、老齢年金と遺族年金は行政側からの連絡・指示で比較的容易に手続きが進められます。しかし、障害年金はそうではなく、裁定請求の手続きは煩雑です。この点、経営者側というより、個別の個人の方に対応させていただく、ということになりますので詳細は省きます。ただ、障害年金を受給したいという方は、障害のため生活に困っている方が少なくなく、当事務所側の成功報酬(一時金)は「年金の支給開始決定通知が無事届いたとき」だけ受け取ることとし、その報酬比率は見込み年金額の1~1.5カ月分、という設定にしています。

問合せ先

事務所名:高田社会保険労務士事務所

住所:〒612‐8485 京都市伏見区羽束師志水町165‐114

業務対応可能エリア:京都府中南部、滋賀県南部、奈良県北部、大阪府北部

営業時間:個人事業(フリーランス)で動いており、基本的に年中無休・24時間対応です。

電話番号:075‐202‐9230 携帯:090‐9881‐5702

メールst.takada@nifty.com

Webサイトhttp://www.sttakada.com/

※Webサイトは、「京都 高田社会保険労務士事務所」でも検索できます。月に2回、外部配信の人事労務ニュースに、事務所作成のコメントや書評を加えた無料メールマガジン「桂川通信」を配信しています。登録は上記Webサイトより受け付けています。

 

鴨川と桂川

※事務所のそばを流れる桂川。右から鴨川が合流しています。

 

 

 

Profile

『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。