間接部門のスリム化だけでない価値を提供したい|社労士・永田幸江さんの横顔

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 |

永田社労士

幼少期から、社会保険や年金制度のありがたさを実感してきたという特定社会保険労務士・永田幸江さん。永田さんが経営する、NIC社会保険労務士事務所とノーブル・インクルージョン株式会社のある東京都北区・東十条でお話を伺ってきました。
 

私が社労士として働いているのは、父の影響が大きかったんだと実感します。

ー社労士になったきっかけを教えてください

社労士になることを目指す「最初のきっかけ」は、中学生時代の出来事がきっかけだったのではないかと感じています。
 

中学3年生の時、父をガンで亡くしました。
 

子供心にも、一家の働き手である父がいなくなったことで、家族や自分の生活、そして進学のことはどうなってしまうんだろうと、すごく不安になったことを覚えています。
 

幸いというか、父は会社勤めが長かったので厚生年金に入っていました。ですので、母が遺族年金を受給することができました。
 

そしてそれまで専業主婦だった母が、父の死を機に働きに出るようになりました。
 

母が働いて得たお金と、年金制度のおかげで進学することも出来て、今の私がいます。
 

この時にはまだ「社労士」の存在は知りませんでしたが、働くことのありがたさと、もしもの時に備えて保険制度に加入することの重要性を無意識に感じていたんだと思います。
 

「社労士」の存在を知ったのは、大学生になって就活をした時でしたが、その頃は健康保険や労働基準法という、働く上で重要な制度や法律などがピンとこなかったため、大学卒業後はしばらく会社勤め・OLをしていました。
 

本格的に社労士を目指しはじめたのは、結婚して子どもを産み、育児休暇制度を利用し職場復帰してからです。
 

子育てをしながらだと、これまでいつでもできた残業や土日出勤、終業後の飲み会への参加も困難になります。
 

その頃、一生を通して社会と繋がっていられる仕事について考えるようになり、社労士の仕事を思い出しました。
 

思い出してからはいてもたってもいられなくなり、社労士の資格勉強する時間と、実務経験を得るために転職活動を開始しました。
 

開始したのですが、資格も経験もなく、乳児持ちの私を採用してくれる事務所はなかなか見つからず、転職活動は困難を極めましたが、ようやく採用してくれる事務所を見つけ、転職しました。
 

その事務所は、女性の社労士が経営する事務所で、仕事は大変厳しく、何度もやめたくなりました。笑
 

それでも、小さい子どもがいても採用してもらえたことに感謝し、厳しい指導のおかげで、社会保険関連の業務について基礎から学ぶことができました。今でも心から感謝しています。
 

同時に、働きながら社労士資格の勉強をスタートさせ、取得するに至りました。
 

資格取得後は、しばらく勤務社労士として正社員で働いていましたが、もっと直接お客様の課題に関与したいという思いが強くなり、12年前に開業して現在に至っています。
 

今回振り返ってみて、父との記憶は10代の途中で止まっていますが、私が社労士として働いているのは、父の影響が大きかったんだと実感します。
 

新しく「採用サポート」サービスを提供開始

ー現在のお客様について教えてください

当事務所は、アルバイトや契約社員などの非正規雇用の労務管理が得意です。その関係で、サービス業や教育機関といった、非正規雇用の多い業種のお客様が多い傾向にあります。会社規模では、社員10名未満から1000名以上のお客様まで幅広く委託を受けています。
 

ここ最近の業務の受け方としては、雇用・労働関係の事務処理や給与計算等の業務をお客様の職場に常駐して提供する事が増えています。
 

お客様の職場に当事務所のスタッフが常駐することで、お客様先のご担当者と当事務所のスタッフが日々顔を合わせながら、運用方法を共に構築するなど、課題解決型のアウトソーシングを提供することが可能になっていると考えています。
 

あと、ちょっと宣伝になってしまうのですが、新しく「採用サポート」サービスを提供開始しています。
 

人材の募集から、書類選考、採用面接基準の策定、採用面接の実施、面接結果の通知、雇用契約までの流れの一部、または全部を代行するサービスです。料金は案件ごとのご相談となりすが、料金は10万円〜となります。
 

これまで、知人友人経由の採用を行っていたお店や企業が、新しく公募型の採用活動を始める。または、これまでも公募型の採用を行っていたが、基準を明確化したいといった企業のご担当者をサポートするサービスです。
 

一緒に仕組みを考えたり、実際に面接に立ち会う事もします。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

経営者や人事労務ご担当者に寄り添い、共に考え、共に解決するパートナーでありたい

ー読者の方にメッセージをください

私が社労士になった頃、まだ社会は失われた20年の真っ只中でした。
 

だれもが知っている有名企業が倒産し、リストラや企業再編が連日のようにニュースとなっていました。
 

企業が新規で社労士へ業務委託する理由は、間接部門のスリム化や人件費の削減を期待しての事が多かったように思います。
 

効率化や経費削減は大変重要な経営課題ですが、当時から私は、社労士が果たす役割はそれだけではないと考えて事務所を開設しました。
 

組織の発展には、社員の成長が欠かせません。人材育成を重要な経営課題として取り組まれている経営者や人事労務ご担当者に寄り添い、共に考え、共に解決するパートナーでありたいと考えています。
 

当事務所は、スタッフに占める有資格者や実務経験者の割合が高く、案件ごとにダブルキャスト、トリプルキャスト制などで業務の標準化に務めています。
 

働き方改革や、採用、人事労務についてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
 

「NIC社会保険労務士事務所」について

顧問契約のサービス内容

顧問契約に含まれるサービス

  • 社員の入社・退職時に雇用保険や健康保険・厚生年金の資格取得や喪失の手続き
  • 業務上のケガ・通勤途上のケガ、いわゆる、労働災害(労災)が発生したときの届出
  • 社員に扶養家族が増えたり減ったりする場合(結婚・出産・離婚・死亡など)の健康保険証の変更手続き業務
  • 社員の住所や姓名が変更された時の雇用保険・健康保険などの変更手続き業務
  • 会社が移転したり、支店や拠点が増減した場合の労働・社会保険上の手続き
  • 労働保険料の1年間分の保険料を計算して申告する業務(年度更新業務)
  • 1年一回、社員一人ひとり個別の社会保険料を計算して申告する業務(算定基礎届)
  • 健康保険関係の給付(出産一時金・傷病手当金)手続き
  • その他日常的な労務関係の相談・質問へのご対応

 

顧問契約の費用感

  • 従業員10人未満の会社の顧問料:~21,600円/月
  • それ以上の会社の顧問料の考え方:従業員人数とご依頼内容に応じて変動します。お問い合わせください。
  • 従業員20人未満の会社の給与計算の受託料:タイムカードチェックなし→10,800円+(540円☓人数)/チェックあり→10,800円+(1080円☓人数)
  • それ以上の会社の顧問料の考え方:従業員人数とご依頼内容に応じて変動します。お問い合わせください。

顧問契約外のサービスで依頼の多いお仕事のBest3を教えてください

  1. 助成金申請:貴社に合った助成金をご提案します。顧問先の場合は受給金額の20%程度、顧問先以外の場合は受給金額の30%程度を頂戴しています。
  2. 就業規則の作成:顧問先以外の場合は、一式で20万円〜。顧問先の場合は左記の50%〜60%程度〜。
  3. 採用サポート:採用時の面接代行を含む代行サービスを、10万円〜で提供しています。

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