面接以外の採用選考方法とは

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

人材の採用においては面接が選考方法の中心となる場合が多いと思います。しかしながら、面接の数十分だけで応募者のことがどれだけわかるでしょうか。ここでは面接以外の選考方法についてご紹介していきます。面接以外の採用選考方法を導入することによって、より多面的な視点で評価が可能になります。面接では見落としていた有能な人材の採用につながるのではないでしょうか。

適性検査とその種類

新卒採用でもお馴染みではありますが、中途採用でも面接以外の選考として実施されるケースが多いのは適性検査です。適性検査とは国語や数学の基礎的な学力を知る、マークシート式の筆記試験です。適性検査を実施する場合には以下のような手順で進めます。

適性検査の手順

  1. 実際に選考に使用する適性検査を選ぶ
  2. 適性検査を申し込み、検査用紙を受け取る
  3. 選考当日に筆記試験を行いできるだけ早いタイミングで答案用紙を送付する
  4. 早ければ中1日程度で筆記試験の結果が届く

※WEB受験などでは即時に判定が出る会社もある

筆記試験の結果は50を標準とする偏差値のようなもので表されます。適性検査の詳しい検査内容はテストを作成する会社にもよります。

適正検査は以下のような種類があります。

適性検査の種類

  • 言語能力
  • 非言語(数的能力、論理的思考、図形認知など分かれる場合もある)
  • 性格の特徴を示す性格検査
  • 自社で作成する専門的なオリジナルテスト

言語・非言語などの適性検査はいわゆるSPIと呼ばれるものでテストの会社が数社存在し、これらの適性検査は大学生用、社会人用などで内容が分かれていることもあります。性格の特徴の場合は性格の傾向などの詳細な分析結果が出て配属などに活かすこともできます。自社でテストを作成する場合には、例えば回路設計の仕事なら電気系の知識や計算式を問う自社オリジナルの問題を作成したりすると良いでしょう。自社のオリジナルのテストであれば、その仕事をする上で最低限知っておいてほしい知識を持っているかを直接チェックすることができますね。

それでも筆記試験を実施するにあたっては注意点があります。

筆記試験の注意点

  • SPIなどの適性検査はある程度の慣れで高得点を出すことができる
  • 性格検査などは本音で答えているのかわからないので参考にしづらい
  • 業者のテストは費用が掛かる

最近は中途採用でも筆記試験を行っている会社も増えています。学生の時以来久しぶりに受けたのか、ここ1ヶ月で5回目の受験になるかということでも本人の能力に関係なく慣れで差が出てくることもあります。性格の傾向などもどこまで本音で答えているのか、わかりにくい場合もありますし、本人の持っている性格と仕事上での進め方が異なる場合もあります。選考の際にはあくまでも面接や職歴の内容を重視し、適性検査は参考程度と思った方が良いでしょう。

業者を利用する適性検査は一人数千円ぐらいかかるので30名ほど受けさせるだけでも、かなりの費用になります。中途採用の場合は新卒採用と違って職歴という評価材料が中心にもなってきますので、応募者が多くて絞りたい場合や、面接以外の基礎能力が見たい場合などに実行するのが良いのではないでしょうか。

一般常識と小論文

職種によっては最近の時事問題に詳しい必要があったり、文章能力が必要な場合があったりしますね。そのような時には中途採用でも一般常識テストや小論文などを導入してみるのも一つの方法です。一般常識のテストの場合は自社で問題を作成する、というケースも多いようですが、業者によっては適性検査と併せて一般常識も含んだ会社ごとのオリジナルテストを作成してくれるところもあります。

小論文に関しては新卒採用ほどではないですが、最近では中途採用試験で実施する企業も出てきています。以下のような目的がある場合には小論文を導入してみるのもよいかもしれませんね。

小論文を実施した方がいい場合

  • 文章能力やプレゼンテーション能力を知りたい
  • 倫理的思考能力ができるかを知りたい
  • 面接では聞き出せない、本音の部分や隠れたエピソードを知りたい

面接ではうまく話せなくとも、文章ではうまく自分自身を表現できる人もいます。時間的な余裕が取れる場合には、小論文を選考の一環として取り入れてみてもよいかもしれませんね。他にも営業職の場合にグループディスカッションをして提案能力を見てみたり、職歴について詳しく知るために自分のこれまでの職歴についてプレゼン資料を作ってきてもらったり、などの方法を取り入れてみると効果的な評価ができる場合があります。応募の職種に合わせて、評価したい能力があればぜひそれに沿った内容を考えてみて下さい。

面接と面接以外を実施する目的とは

それではそもそも選考における面接の目的とはどんなことなのでしょうか。選考で必ず実施される工程である面接の役割とは以下のような内容ではないでしょうか。

面接の役割

  • 志望動機を知る
  • 自己PRをしてもらって人物の特徴を知る
  • 職務経歴書だけではわからない職歴についての詳細を知る
  • 仕事をする上での信念など、本人の仕事への取り組み方などを知る
  • 直接会うことでどんな人物なのかを五感で感じる

面接以外の選考をする際には面接ではわからないことを補完的に知るために実施することを目的にして行うと良いでしょう。例えば以下のような目的です。

面接以外の選考の役割

  • 基本的な言語能力や数学の能力を測る
  • 配属の仕事をする上での最低限の知識の有無を知る
  • 性格や行動の傾向を知る
  • ストレス耐性やメンタルの強さを見る
  • 面接の時間だけでは話せない他のエピソードや考え方を知る

これらの目的に沿って必要な場合に面接以外の選考を実施すると良いのではないでしょうか。

まとめ

人材の採用においては面接以外にも以下のような選考方法があります。

  • 適性検査(言語・非言語など)
  • 性格検査
  • 自社の仕事に必要な知識を問うオリジナルテスト
  • 一般常識テスト
  • 小論文
  • グループディスカッション
  • プレゼン

面接以外にも他の視点で応募者の能力を判断したい場合に面接以外の選考方法の導入を検討すると良いでしょう。複雑化する中途採用市場でも選考の多面化が必要になってきています。面接以外の選考方法を導入することによって面接では見逃してしまった有能な人材の発見につながる可能性もあります。ぜひ、自社のニーズに合わせて面接以外の選考の導入を検討してみて下さい。

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『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。