障害者雇用のルールとは?対象企業・ペナルティについて

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

毎回、労務に関する最新のニュース、気になる法改正などを取り上げて、社会保険労務士の寺島さんに話をお聞きするコーナーです。今回は障害者雇用の法令について話をしてもらっています。

 

寺島戦略社会保険労務士事務所 
代表 / 社会保険労務士 寺島 有紀

一橋大学商学部を卒業、新卒で楽天株式会社に入社後、社内規程策定、国内・海外子会社等へのローカライズ・適用などの内部統制業務や社内コンプライアンス教育等に従事。在職中に社会保険労務士国家試験に合格後、社会保険労務士事務所に勤務し、ベンチャー・中小企業から一部上場企業まで国内労働法改正対応や海外進出企業の労務アドバイザリー等に従事。
■ 寺島戦略社会保険労務士事務所 公式サイト

 

株式会社BEC
代表取締役 高谷 元悠

2013年に有限責任あずさ監査法人に入社。IPO支援、内部統制構築支援、M&A、上場企業の監査を担当。2014年に株式会社BECを創業し、代表取締役に就任。クラウド人事労務管理サービス「Gozal」を開発。

 

障害者雇用の義務について

高谷
2020年のオリンピック・パラリンピック開催を控え、大手企業を中心に障害者アスリート雇用が拡大しているというようなニュースも目にします。

寺島
2018年4月に障害者の法定雇用率が引き上げられました。これにより民間企業はこれまでの法定雇用率2.0%から2.2%となり、従業員が45.5人以上の事業主は障害者を1人以上雇用する義務が発生することになります。

高谷
45.5人の「0.5人」の部分ってどのようにカウントするのでしょうか?

寺島
物理的には0.5人の従業員はありえないのですが、障害者雇用においては雇用労働者数や実雇用の障害者数を算定する場合には、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方は短時間労働者を0.5人としてカウントするため、このような0.5人単位の話がでてくることになります。

 

障害者の法定雇用率を満たせない場合の納付金

高谷
なるほど!そういうことなのですね。もしその法定人数を満たせない場合には何かペナルティはあるのでしょうか。

寺島
障害者雇用人数が法定雇用率を満たしていない場合、障害者雇用納付金の納付が必要になります。

障害者雇用納付金とは、法定雇用率で計算される人数に対し、それに満たない場合、1名の不足に対して月額50,000円を納付しなければならないという制度です。

従来は、常時雇用する従業員数が200人を超えている企業が障害者雇用納付金の納付義務の対象となっていたのですが、2015年4月1日からは、常時雇用する従業員数が100人を超える企業が対象となっています。

 

小規模企業でも対応が求められる時代

高谷
では、従業員数が100名以下の企業にはあまり関係ないということでしょうか。

寺島
いえ、そういうことではありません。障害者雇用については、人事の方は「うちの会社にはあまり関係のないこと」と捉えてしまう場合が多いのですが、下記のようなニュースがつい最近でました。障害者雇用納付金の対象がさらに小規模な企業に広げられるかもしれません。

「厚生労働省の研究会は27日、障害者雇用の促進に向けた報告書をまとめた。障害者の雇用者数によって納付金を徴収したり、調整金を支払ったりする対象を現在の従業員100人超の企業から、50人以上の企業に広げ、中小企業も実質的に制度の対象とする方針を示した。報告書は労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に提出され、法制化に向けた議論が進められる。

障害者雇用促進法は、法定雇用率(2018年度は2.2%)を下回った場合、不足する障害者数に応じた納付金を徴収し、上回れば調整金を支給することを定めている。対象は当初、従業員300人超の企業だったが、15年度から100人超に広げられた。」

また、2018年4月より、企業の雇用義務の対象に、発達障害を含む精神障害者が加わったことも大きな変更です。発達障害の方は何かに秀でているので、そういう方のサポートを行う企業やセミナーも行なわれているので、そういったものを活用することはできると思います。

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『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。