打切補償とは|労働基準法の定義

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

もし従業員の方が業務中に怪我をおったり、病気になってしまった場合に、その病気がなかなか治らなかった場合にはどうしますか。そんな時のルールを労働基準法が定めてくれています。

 

具体的には労働基準法第81条にて下記のような記載があります。

 

第八十一条 (打切補償)
補償を受ける労働者が、療養開始後三年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の千二百日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。

 

つまり、業務によって病気などになってしまって、療養のため休業している労働者が療養開始から3年を経過しても治らない場合には、平均賃金の1,200日分の補償を行うと、解雇制限がなく解雇を行うことができるというものです。

 

業務中に怪我をしてしまった労働者をいつでもやめさせることができるとすれば、それは労働者の生活が脅かされ、酷なので原則的には解雇を法的に制限しています。具体的には労働基準法第19条にその定めがあります。

 

第十九条  (解雇制限)
使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。

 

今回説明した打切補償を行うと、この19条の適用を受けないとするのが先ほど81条の規定ということですね。もしも従業員の方が怪我をして長期休業をしてしまった場合には、打切補償の労働基準法のルールを確認して、対応を慎重に検討することが必要となります。

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『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。