平成2710月から通知が始まったマイナンバー。実は個人だけではなく法人にもマイナンバーがあります。

ここでは、法人のマイナンバーとは何か、どのような書類に記載されるかについて解説します。

法人番号(法人版マイナンバー)とは

法人マイナンバー、正式名称は「法人番号」といいます。1つの法人に13桁の法人番号が1つ指定され、登記上の所在地に通知されます。また、法人マイナンバー(法人番号)はインターネット(法人番号公表サイト)を通じて公表され、誰でも閲覧、利用することができます。

法人番号(法人版マイナンバー)の目的

 法人番号(法人版マイナンバー)は4つの目的のために導入されました。

行政の効率化

今まで税務署や市役所など、各行政機関でバラバラにつくっていた番号が1つになるため、行政機関を横断した情報管理が簡単になります。そのため、法人情報の照合などをスムーズに行うことができ、行政の効率化を図ることができます。

国民の利便性の向上

行政機関どうしの情報連携がしやすくなることで、添付書類の削減など、各種申請等の手続を簡素化することができ、国民にとって利便性が向上します。

公平・公正な社会の実現

番号の一元化により、社会保険等の負担逃れの防止、逆に受けることができる補助金の給付を適切にすることができます。

新たな価値の創出

法人番号には利用目的に制限がありません。そのため民間による利用・活用を促進し、番号を活用した新たな価値の創出が期待されます。

4つの目的のうち、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現については個人のマイナンバーと同じ目的です。「新たな価値の創出」は法人番号(法人版マイナンバー)だけの目的です。今後は、法人マイナンバーを使った新たなサービスが増える予定です。

法人番号を記載する必要のある書類一覧

法人番号(法人版マイナンバー)を記載する書類には大きく分けて、税と社会保険の2つがあります。それぞれ、どのような書類に法人番号の記載が必要かを見ていきましょう。

1. 税

【法人税】

法人税及び地方法人税の申告書法人が毎年の所得や税額を国に申告するための書類。平成281月以後に開始する事業年度等に係る申告書から、法人番号を記載して提出します。

法人設立届などの法人に関する届出書平成281月以後に提出する届出書から、法人番号を記載して提出します。

【消費税】

消費税及び地方消費税の確定申告書法人が消費税額を国に申告するための書類。平成281月以後に開始する課税期間に係る申告書から、法人番号を記載して提出します。

消費税課税事業者届出書などの消費税に関する届出書平成281月以後に提出する届出書から、法人番号を記載して提出します。

消費税の申告書や届出書は個人事業主でも提出する場合があります。その場合は個人番号を記載します。該当期間は法人と同じです。

【給与関係】

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書従業員がいる場合、年1回従業員に扶養家族の情報などを記載してもらう書類です。法人番号、従業員とその扶養家族の個人番号を記載する箇所があります。平成281月以後に提出するものから法人・個人番号を記載します。

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書この書類は主に開業時等に提出するため普段は提出する機会はありません。平成281月以後に提出する届出書から、法人番号を記載して提出します。

【法定調書関係】

給与所得の源泉徴収票従業員の個人番号と、支払者である法人の法人番号を記載する箇所があります。平成28年分以後の源泉徴収票から、個人・法人番号を記載して提出します。

退職所得の源泉徴収票退職金を支払った従業員がいる場合に提出します。従業員の個人番号と、支払者である法人の法人番号を記載する箇所があります。平成28年分以後の源泉徴収票から、法人番号・個人番号を記載して提出します。

給与所得や退職所得の源泉徴収票には従業員交付用と税務署提出用があります。個人番号、法人番号ともに税務署提出用のみ記載します。間違って法人・個人番号が記載されたものを従業員に渡さないよう注意してください。

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書税理士やライターなどに支払う報酬で、源泉徴収したものがある場合に提出します。支払いを受ける人の個人番号と、支払者である法人の法人番号を記載する箇所があります。平成28年分以後の支払調書から、法人・個人番号を記載して提出します。

2. 社会保険

【雇用保険】

雇用保険被保険者資格取得届などの雇用保険の書類に、従業員の個人番号と法人の法人番号を記載する箇所があります。平成281月以後に提出する届出書から法人・個人番号を記載します。

【健康保険・厚生年金保険】

健康保険被扶養者(異動)届などの書類に、従業員の個人番号と法人の法人番号を記載する箇所があります。平成291月以後に提出する届出書から法人・個人番号を記載します。

それぞれの書類について、いつ提出する分から法人・個人番号を記載するのかしっかり確認しておきましょう。

まとめ

法人番号(法人版マイナンバー)は1つの法人に1つ指定されます。目的として行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現、新たな価値の創出の4つがあります。新たな価値の創出は法人番号独特のもので、今後さまざまなサービスが増えていきます。法人番号(法人版マイナンバー)を記載する書類は大きく分けて、税と社会保険があります。税については税金の申告書は28年以後開始する年度、届出書は28年以後提出する年度から法人番号(法人版マイナンバー)の記載が必要になります。

社会保険については、雇用保険は平成281月以後提出分、健康保険・厚生年金保険は平成291月以後提出分から、法人番号(法人版マイナンバー)の記載が必要になります。

こちらの関連記事もご覧ください。:

「法人番号」スタートから1年半経過。何がどう変わったのか?

法人番号の基礎知識

個人事業主とフリーランス必見!法人番号(法人版マイナンバー)情報まとめ

Profile

『バックオフィスの基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。