インターンシップの学生に給料を支払う必要はある?その判断基準とは

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

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インターンシップ制度をもうけて、学生などに実践を通じて成長機会を提供したり、会社のことをよく知ってもらうイベントを開催している会社も増えています。インターンシップと一言で表しても、会社によってその内容は異なり、多様な機会が学生に提供されていると言えるで 多様なインターンシップにおいて論点となるのが、「賃金給与」をインターンシップ生に支払う必要があるのか、という点です。

結論から言うと、インターンシップでも「賃金給与」を支払わなければならない場合はあるということです。 今回は、インターンシップと賃金給与の関係性についてまとめていますので、ご確認ください。

そもそもインターンシップ制度とは

インターンシップ制度とは何か、については政府から「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」という文章が公開されています。そこでは『インターンシップを「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」として幅広くとらえることとしている』と記述がされています。

つまりインターンシップとは将来のキャリアに関連した就業体験であるということです。

インターンシップ生に賃金は支払うべきなのか

インターンシップ生に賃金を支払うかどうかの判断は、実態に即して考えられます。政府の通達によると

「一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しなものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業における利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場との学生との間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当する者と考えられ、またこの判断は個々の実態に即して行う必要がある」

とされています。

つまり、企業の利益につながるような活動をインタシーップ生が直接行い、その業務を企業側が指揮命令するという実態があるのであれば、名目が何であれ、最低賃金法の基準以上の賃金を支払う必要があるということです。

インターン中の事故や怪我には注意しよう

インターン生があくまで見学や体験という実習を受けている場合、その方は労働基準法などでいう「労働者」ではありません。そのため、労災保険の適用がありません。

仮に会社側に過失があれば、損害賠償責任が発生します。過失がなくても労災保険の適用がないため、学生には大きな負担になることでしょう。

大学や学生が損償責任保険・損害保険に加入しておくことも重要な手続きです。

インターンと賃金報酬についてまとめ

会社説明会や職場見学のような教育の一環として行われる本来のインターンシップ制度であれば、学生は「労働者」ではないので、報酬を支払わないというケースでも問題は起こりにくいと考えられます。

一方で直接生産活動に従事し、指揮命令関係がある場合には、「労働者」となるため最低賃金以上の賃金を支払う義務が発生する可能性が高いでしょう。インターンシップ制度の実態を適切に設計し、内容に応じた賃金の支払いを行いましょう。

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『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。