最低限のルールで、最大限の自由を生み出す「みんなのマーケット」の人事制度

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

「正直者が馬鹿を見ない世界を作る」をミッションに掲げ、独自のカルチャーを作ってきたみんなのマーケット。法令を遵守しながらも、各自が考えて、それぞれの裁量で仕事ができることを目指す同社は、どのように社内のルールを作っているのでしょうか。今回はコーポレート本部の森田さん、マーケティング本部 本部長の中尾さんにお話を聞きました。

 

採用プロセス

中尾さん(写真左)、森田さん(写真右)

 

1次面接ではパーソナリティ

森田:採用プロセスとしては、書類選考、1次面接、2次面接、最終面接があります。1次面接はパーソナリティを見ることが中心で、面接はコーポレートチームで行います。パーソナリティが弊社のカルチャーにフィットするかどうかを測るための時間として位置付けています。具体的に聞いている質問は、あまり答えがないような質問をして考え方、お人柄を見ています。

質問することとしては、例えば

・弊社では会社にお菓子を置いていて、社員は自由に食べていい制度になっています。もし新人の社員がそのお菓子を大量に持って帰っているのを見かけたら、どうしますか?

・代表電話に電話が届いて、ユーザーの方から「責任者を出せ」と言われたらどのように対応しますか?

・入社して1週間が経過した時に、有志のメンバーで旅行に行く企画が出ましたが、あいにくあなたはその日に予定があります。どうしますか?

そういった質問で考え方を共有してもらって、垣間見えるお人柄を含めて、一緒に働きたいと思えるか、会社のカルチャーに合うかを見ています。

2次面接ではスキル・ポテンシャル

森田:2次面接では、主にスキル・ポテンシャルを見ています。求職者の方が応募された部署の実務担当者と、応募された部署とは全く別の部署の責任者の2名で面接をします。面接担当者として誰をアサインするのかは、代表の浜野が細かく決めています。

応募された部署の実務担当者が、その部署で必要なスキルなどがあるかどうかを評価し、別の部署の責任者は、将来のリーダー適性やプロフェッショナルとしての素養などをチェックします。ワークサンプルテストを用意していて、シチュエーションごとにどのような対応を行うのかを答えてもらったりしています。

最終は社長面接

森田:最終面接では、代表の浜野が面接を行います。同時に、今働いているメンバーに自由に質問したり、働き方を実際に見学できるオフィスツアーを設けることもあります。

面接ではスキルや人柄を見ていますが、一番重視していることは「みんなのマーケット」で活躍できそうかどうかを判断することです。
みんなのマーケットは、無駄なルールを極力作らない会社です、そういった環境下で自分で考えて動ける人であることが重要なので、そういった部分を重点的に深堀させていただいています。

多様なライフスタイルを持つ社員への対応

時短勤務への対応

森田:入社のタイミングから1日7時間、6時間だけ働きたいという方も中にはいらっしゃるので、
そういった個別のニーズにも契約社員として契約をカスタマイズして柔軟に対応しています。

また都度面接も行っていて、契約社員から正社員への転換も希望があれば積極的に登用しています。正社員になるのであれば、原則フルタイムで出勤が必要なのですが、育児などの事情があれば時短勤務も認めています。

子育て世代の増加に対応した復職・子育て支援


支援制度の社員配布資料を見せてもらいました

森田:通常通り働いてる社員はフルフレックスで働けますし、在宅勤務もできるので、働き方を調整しやすい環境を維持できている一方で、育児から復帰しようとする社員に対する支援は今まで十分ではなかったと認識していました。

育児をしながらしっかり働きたいという思いを持っているお母さん・お父さんを支えることを目的として今年から復職希望者・子育てされている社員に対する支援制度を4つリリースしました。

1つ目は、在宅勤務で復帰することを支援する制度です。
森田:在宅勤務がやりやすい職種で、雇用区分が正社員の場合に限定して利用できる制度ですが、産育休取得後復職の際に、認可保育園・認可外保育園等に入園申し込みを行ったが入園できなかった場合、希望により在宅就労を可能としています。

条件として、在宅勤務する就業時間中はベビーシッターを雇うこととしております。その費用自体は社員が自費で負担してもらうようにしています。

もちろん全ての費用を会社が負担するという選択肢もあったのですが、どんな状況でも結果を出していくことにこだわって欲しいので、一旦自費として負担してもらって、のちに人事評価の結果・業績に基づいて、認可保育園に預けた場合の月額保育料分を上限に、賞与として支給する仕組みとしています。結果を出すことができれば、後払いで会社負担とする仕組みです。

森田:2つ目は、認可外保育園の保育料の一部を会社で負担する制度です。
産育休から復帰するにあたり認可保育園に入れず認可外保育園に入園する場合、認可保育園に入園できた場合の保育料と認可外保育園保育料の差額を月額5万円を上限に毎月支給します。

待機児童が増えている現状では、認可外保育園に行く選択肢を取らざるをえない状況はあると思いますので、その際の経済的負担を軽くして、復職しやすい環境づくりを進めています。

森田:3つ目は、宮崎支社の社員に対する支援なのですが、認可外保育園フェニックスキッズ宮交シティと法人契約を締結しています。宮崎市を中心にオフィスが増加しておりまして、待機児童が発生するような環境になっています。そこで認可外保育園との法人契約を結び、優先して入園できる環境を整備して復帰のしやすい状況を作っています。

森田:4つ目は、ベビーシッター会社と法人契約を締結し、利用料の半額を会社負担とする制度です。「今日は重要な来客がある」「どうしても今日は会社に残る必要がある」「夜の会社イベントに参加したい!」など、勤務を担保したい日にベビーシッターを利用という選択をできるように整備し、子育てをしながら業務にチャレンジしやすい環境を提供することが目的です。

中尾:また、公式な人事制度ではないのですが、子連れ出社は自然にOKにしているカルチャーがあります。あえてルール化せずに、必要だと思うことは各自で考えて実行してもらっています。自然にそれが必要だと思うから、みんな子連れ出社を認め合うようになり、子供が普段からオフィスにいる会社になっています。

自然に子連れで出社する社員もいらっしゃるとのこと

森田:よくニュースで子連れ出社制度を開始しましたというのを見るのですが、弊社では「制度」ではなく、自発的にそういう文化になった背景があるので、その辺りが「みんなのマーケット」っぽさだと思っています。

 

新規入社のオンボーディング

チューター制度

森田:新入社員のサポートとして、チューター制度を設けています。
チューターがやるべきことは、特に明確に定めていないのですが、入社から2週間の期間で各自が必要だと思うことを伝えていくような運用にしています。チューターを担当したことがある社員から話を聞くなどして、それぞれで考えながらサポートしてくれています。

中尾:2週間経過後に自分が担当についた新入社員について、チューターがSlackの全社チャンネルで4,000文字以内紹介してもらいます。紹介のやり方はチューターによって色が出ていて、普通に文章でやる方もいれば、スライド形式で資料を作ったり、Wikipediaぽく作る方もいて、見ていて面白いです。

森田:チューターのアサインは代表の浜野がすべて決めていて、一人一人の能力や性格などを考慮して、組み合わせを考えてくれています。ちなみに浜野は、新入社員がどの席に座るのかなどの細部まで細かく決めています。

新入社員の内定式研修

森田:また新入社員向けに内定式をやっています。直近では時間をかけて研修をやりました。全員で研修用の動画を見たり、外部講師を呼んでインプロ研修というものもやりました。

インプロ研修とは、劇団出身の講師の方が出すお題に対して、即興で表現する研修です。例えばお花を表現してと言われれば、それを各自が体を使って即興で表現します。その研修を通じて、みんな考えていることは違うということを理解し、その多様性を受け入れることを体感することができます。

最後に、内定者には入社前に弊社サービス「くらしのマーケット」を実際に使ってもらっていまして、そこで見つけた改善案などをプレゼンしてもらっています。
プレゼンの経験を積み、また改善ポイントを探求するような経験を入社時点で体験してもらっています。

次にNASAゲームというグループワークをやりました。数千キロ離れた宇宙から母船にたどり着くために、持っているアイテムに優先順位をつけるというものです。チームで話し合って、合意を取るという体験を行ってもらっていますね。

みんなでランチにいくカルチャー

中尾:あとは、特にルールはありませんが、カルチャーとして勝手に定着していることはあります。例えば、昼のランチは誰かがslack上で全社員に呼びかけて、部署関係なく行ける人はみんなでランチに行っています。もちろんお弁当の方もたくさんいますが、タイミングが合えば結構な人数で、ランチに出かけます。会社内で一人ぼっちになることがないというのが弊社の特徴だと思います。新入社員も自然にその流れに巻き込まれて、慣れていくので、すぐに仲良くなっていきます。

森田:入社後から3日間は、部署説明や会社説明などのオリエンテーションがありますが、それ以降は配属部署に分けれて、各チームでOJTをスタートしていきます。

社員間で交流する仕組み

森田:先日、新卒メンバー全員と各部署のリーダー、そして代表の浜野で2日間合宿を行いました。その当時、弊社ではミッション・ビジョンは明確にあったのですが、具体的な行動指針がまだ確立されていなかったので、その指針を作ることを目的で行ったものです。

1日目に浜野が新卒のメンバー向けに今までの会社の歴史、今やっている事業で目指していることなどを話します。一方で部署リーダーのチームでは、会社で起きた大量の良いこと・悪いことをすべて事例化するという取り組みを行いました。

2日目に部署リーダーチームで作った事例集を新卒チームに説明して、新卒チームがその事例をより抽象化して、カテゴリー化する作業を行います。

新卒チームが作業している間に部署リーダーチームは作成した事例をもとに未来の会社では、どのような事例を生み出していくべきなのかということを話し合いました。最後に、全員混ざって、作成した情報を軸に、どのような行動指針で進めばいいのかということを話し合いました。

中尾:他の交流する仕組みとしては、忘年会をオフィス内で開催しています。ちょっと変わっているのですが、各自が食べたいものを作って、持ってきてもらって、それをみんなで食べたりしています。

常にビデオチャットでつながっている宮崎支社の皆様

ちなみに宮崎支社ともハングアウトで映像をつないで、一緒に忘年会をしたりしています。余談ですが、忘年会だけ宮崎支社と映像をつないでるのではなくて、常に映像をつないでいるので、距離は離れているのですが、毎日顔を見て仕事をしています。

 

働き方・労働時間

中尾:フレックスタイム制を導入してるのですが、その導入背景としてはミッションにつながると思います。

弊社のミッションは「正直者が馬鹿を見ない世界を作る」というものなのですが、正直にやっている人が自分で考えて、動けるような柔軟性を持った会社に近づけたいという思いがあります。

そのため、何時から何時まで働くという型にはめずに、法令を遵守しながらも、自分で働く時間をコントロールできるものにしています。

弊社では既存の規則や規定では認められていない働き方があった場合でも、合理的だと思えるのであれば、人事のメンバーじゃなくても各部署で働き方を考えて、運用まで提案してくれるようなカルチャーもあります。一人一人が自分たちの働き方を企画・設計している会社だと思います。

インセンティブ・年齢を問わない抜擢

森田:「くらしのマーケット」の研究費として一定額支給しています。その金額で、インターンも含めて全ての社員が実際にサービスを使う体験を行うことができます。実際に使った場合には、改善案などを会社全体で共有出来るように、体験レポートも提出してもらっています。

自社サービスを社員が積極的に使うことで、いろんな気づきや学びを仕事に生かしてもらっています。

マネージャーポジションに今年の4月に入社した新卒社員が2名アサインされています。年齢関係なくやる気があって、結果を出している社員は、重要なプロジェクトにアサインされることが自然に行われています。

人事制度を作る際に大切にしている考え方

中尾:人事制度の考え方の根本は、「無駄に作らない」ですね。

森田:制度やルールは、作らないと致命的に問題となることについては作るしかないのですが、とにかく必要最低限のルールだけを作って、正直者が懸命に考えて、自由にやれる余白をしっかり設けることを大事にしています。

みんなのマーケットに興味を持っていただいた方へ

みんなのマーケットは「お互いがお互いを認め合い、1つのゴールを意識してそれぞれがそこに向かうカルチャー」が自然とある会社です。
自由な会社だからこそ責任を持って成果を出す、そんなカルチャーに共感できる方とぜひ一緒に働きたいです!

みんなのマーケット公式サイト
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『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。