板書する先生

2016年度調査の「教員勤務実態調査」速報が文科省から発表されました。結果は、中学教諭の約6割が過労死ラインを突破し、週勤務時間はこの10年で5時間も増加しているというショッキングなものでした。

 

文部科学省「教員勤務実態調査」とは、数万人規模の教職員を対象に行われる勤務実態調査です。今回は公立小学校・中学校の教員約2万名を対象とし、2016年10月〜11月に1週間連続で調査票を自己記入する形式で実施されました。2006年度に約5万名を対象に実施されて以来、今回の調査は約10年ぶりの実施です。

調査は、大きく2項目実施されました;

  1. 学校「組織」の体制に関する調査
  2. 教職員「個人」の属性や勤務実態調査・ストレスチェック

 

この記事は、(2)教職員「個人」の勤務実態調査、特に「中学教諭」の勤務実態調査を、一介のWebディレクターが考察するものです。

 

中学教諭をペルソナ風に分析する

ペルソナ 」という h2釣り です。申し訳ありませんでした。

さて。それでは調査で明らかになった、「先生」のデータを舐めていきましょう。

性別

中学教師・男女

上段が今回のデータで、男6:女4の比率となっています。下段を用いて、今回の調査結果に偏りがないか確認するため、別調査のデータを比較しています。偏りはほぼ無いと考えてよいでしょう。

 

年齢

中学教師・年齢

教諭の年齢構成を「学校教員統計調査(平成25年度)」と比較すると、今回の調査結果は30歳以下の割合が高く、41~50歳の割合が低くなっています。今回の調査は、若い教諭の実態がより反映されていると考えておく必要があります。

 

在校勤務時間

中学教師・肩書別勤務時間

「副校長・教頭」先生の勤務時間が一番長時間となっています。約12時間、1日の半分以上を学校で過ごしています。

 

参考までに公立中学教諭には残業代は出ません

公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)』の第3条には、「教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない」と明記されています。民間企業内でしばしば存在する「残業代稼ぎ」を目的とした残業に相当するものは無いというわけです。

中学教諭のカスタマージャーニー

1日の半分もの勤務時間中で、中学教諭は何をして過ごしているのでしょうか。

今回の調査結果より、「先生」の業務時間を分解すると、以下のようになります。

(※先に謝ります。「カスタマージャーニー」も言い過ぎました。)

 

中学教師の一日(円グラフ)

 

細かすぎる!ので、時間のタイプを大きく2つに分けてシンプルにします。

授業・勉強指導の時間と、雑務の時間に分けて考える

 

授業・勉強指導の時間は、半数に満たず!

中学教諭が授業・勉強指導に関わる時間

 

雑務の時間は、半数以上!

中学教諭が雑務に使う時間

 

※「半数」の使い方がオーバーでした。ついつい、グラフの使い方等が不自然になる傾向があります。

 

中学教師は、Webディレクターの進化を見習うべき

タイトルから繰り返し、しつこいかもしれませんがもう一度私の職業を説明させていただきます。私は、Webディレクターという職業を20年近くやっています。

IT業界以外の方は、Webディレクターは、Web制作の現場で中心にいる人だと思っているかもしれません。

しかし実際は、Webディレクターは自分でデザインもしないし、プログラムのソースコードも書かない人なんです。細かな更新作業をする際に、HTMLファイルを変更することはあるけれど、がっつり最初からHTMLやCSSを書くこともありません。

自分がWebディレクターをはじめた20年ほど前は、デザインもソースコードも自分で書いていました。そして、徹夜続きで、いつが朝か夜か、いまは午後4時なのか午前4時なのかすら、判別できない状況でした。

それから時が経ち。Web業界が世間から注目されるようになって、いつの日からか、Webディレクターは実制作をやらない人になりました。実制作をやりたい人は、以下のような専門職人として特化していきました。

  • Webデザイナー
  • フロントエンドエンジニア
  • サーバサイドエンジニア
  • etc…

 

では、実制作をしないWebディレクターは、何に特化していったのでしょうか。

「雑務」に特化していった!のです。Webディレクターは、専門職人がやらない「雑務」を一手に引き受けました。

  1. クライアントとの調整
  2. 現場の進行管理
  3. 上司・同僚との調整
  4. 社内クラブ活動の調整
  5. 担当プロジェクトのデータ解析
  6. Webマーケティングセミナー出席
  7. etc…

 

これらのWebディレクターが担当している「雑務」って、中学教諭が担当している「雑務」と通じるものがありませんか?

以下の通り、「マッピング(対応付け)」可能です。 

  1. クライアントとの調整 ⇒ 保護者・PTA対応
  2. 現場の進行管理 ⇒ 学年・学級経営
  3. 上司・同僚との調整  ⇒ 朝の業務、会議等
  4. 社内クラブ活動の調整  ⇒ 部活動・クラブ活動
  5. 担当プロジェクトのデータ解析  ⇒ 事務・報告書作成
  6. Webマーケティングセミナー出席  ⇒ 校務としての研修
  7. etc…

直接自分でデザインやソースコードを書くことを放棄した人。それがWebディレクター。

Webディレクターの1日

引用:マイナビクリエイター『Webディレクターの1日の流れを実態調査!リアルなスケジュールを公開

 

 

先生方、「授業」でまだ浪費してるの?

 

「授業」で浪費しない方法

そうは言っても、では誰が「授業」をやるのか? その一つの答えとなる取り組みが、アメリカで行われています。

例:自宅で「授業」、学校で「宿題」をする、逆転授業

家で授業・学校で宿題

引用:NHK『ハーバードはもう古い!? ~エドテック “教育革命”最前線~

 

 

Think Different. 考え方を変えれば、きっと点が線になる

 

 

 

元資料:文部科学省『教員勤務実態調査(平成28年度)の集計(速報値)について(概要)

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『バックオフィスの基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。