あなたのメールが「失敗」している理由

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 |

mail trouble

ビジネスメールの作法を理解し、メールで失敗していない自信がありますか?

昨今のビジネスシーンでは、LINEなどのメッセンジャーで連絡し合うことも増えてきましたが、コミュニケーション手段のNo.1はまだまだ「メール」です。

一般社団法人日本ビジネスメール協会が毎年発表している「ビジネスメール実態調査(2016年版)」によれば、主なビジネス・コミュニケーション手段として98.22%の人が「メール」を挙げています。以下、電話:91.06%、会う:75.97%、ファクス:29.05%、ビジネス文書:20.17%、LINE:15.93%と続きます。

それでは、ビジネスパーソン約3000名の経験を集約した「ビジネスメール実態調査2016」の結果を元に、ビジネスメールの「失敗」とは何かを一緒に考えていきましょう。

メールの失敗1:返事が遅い。

自分だけで、すぐに結論をだせないメールを受け取った場合など、ついつい数日間放置してしまうことってありませんか?

自分が「仕事で受け取ったメールはいつまでに返信をしているか(急ぐ場合を除く)」という質問に対し「24時間以内」である人が93.92%との結果がでています。相手に「いつまでに返信がほしいか(急ぐ場合を除く) 」という質問に対しては「24時間以内」と回答した人が86.24%です。

すぐに結論を出せないメールを受け取ったら、受領した旨をまず返信するようにしましょう。その際、結論を出せそうな「予定期日」をお知らせする事ができたらなお良いでしょう。

メールの失敗2:文章が下手。

メールは基本的に、文字だけでコミュニケーションする必要があります。利益の相反する相手にも、失礼無いように自分の要望や意図を伝える必要があります。

約4割の人がビジネスメールで不快な思いをしたとのアンケート結果が出ており、その理由として以下のような理由が挙げられています(複数回答可)。

  • 文章が曖昧:33.28%
  • 文章が失礼:31.93%
  • 必要な情報が足りない:26.52%
  • メールが読みづらい:24.66%
  • 文章が攻撃的:26.60%

さて、それではメールの文章を、うまく書くためにはどうしたら良いでしょうか。

人気TV番組「カンブリア宮殿」でもお馴染みの小説家・村上龍さんは、15年前にこの問題に答える本を書いています。メールの文章に自信が無い方は、一度読んでみてはいかがでしょうか。

eメールの達人になる

村上龍著『eメールの達人になる』|¥713|集英社 (2001/11)

メールの失敗3:宛先が違う。

最近のメールソフトは、宛先欄にメールアドレスの最初の1文字入力すると、アドレス帳などを参照し、自動的に残りの部分を補完する機能がついています。便利な機能ですが、例えば「佐藤さん」のように多く存在している場合、間違った「佐藤さん」に気づかずメール送信してしまう危険があります。

また、例えば「さいとうさん」のように、齊藤/齋藤/斎藤/斉藤/西東など、注意深く確認しないと違いに気づけような名字もあります。送る方には「小さな違い」ですが、受け取る方には「大きな違い」です。名字や名前を間違えられたら、テンション下がりますよね。

メールソフトによっては、間違いの防止に役立つ機能・サービスが提供されています。失敗することが多い人は、導入を検討しましょう。

メールの失敗4:添付ファイルが付いていない。

アンケート結果で「失敗 No.1」となったのは「添付ファイルの付け忘れ(61.39%)」でした。心当たりのある方も、多いのではないでしょうか?

最近では、Webブラウザ版の「Gmail」など、添付メールが付いていない場合に注意してくれる機能が付いている場合もあります。添付忘れが多い方は、こういった機能に助けてもらうのがよいでしょう。

▼Gmailのエラー表示

添付なしエラー

メールの失敗5:文章が途中で途切れている。

メールを書いている途中で、上司に話しかけられたり、電話がかかってきて応対する必要に迫られた。応対し終わって、メールの方に戻ってきたのだけれど、画面をざっと見て、間違って無意識に送信ボタンを押してしまった、、、途中だったのに。そんな経験はありませんか?

アンケート結果では、メールの失敗の11.35%が「書きかけのメールを送信」したとなっています。常に一呼吸おいて、物事を開始するなど対策が必要ですね。

まとめ

ビジネスの主な連絡手段として、約98%の人がメールを挙げています。代表的なメールの失敗として、返事の遅延、文章が下手、宛先間違え、添付ファイル忘れ、途中で送信してしまう等があります。

添付ファイルを忘れる程度の失敗を、たまにする程度であれば大丈夫ですが、失敗を重ねるとあなた自身の信頼を失うことにつながります。

アンケートでは、約7割の人が「相手の失敗を指摘したことがない」と回答しています。自分が認識している以上に失敗しているかもしれないので注意が必要です。

4/30まで、2017年版のアンケートを受付中!

一般社団法人日本ビジネスメール協会では、今回の記事で取り上げた「ビジネスメール実態調査」の2017年版(※2017年6月1日公開予定)で利用するアンケートを、2017年4月30日(日曜)まで募集中です。

→ アンケートページ(※アンケートは終了しました)