ランキングから見る理想の上司像と部下像とは?【2017年版】
執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 | |
毎年恒例となっている「理想の上司と新入社員」アンケート。毎年、その時々の時代のニーズを反映した様々な有名人が理想の上司と新入社員として選ばれています。明治安田生命は2月6日、このアンケート調査の結果を発表しました。今、一体どんな人が理想の上司や新入社員とされているのでしょうか。調査結果を見ていきましょう。
「理想の上司」にはどんな人が選ばれている?
この調査は、「バラエティ」、「スポーツ選手・監督」、「俳優・歌手」「文化人」の4部門から、それぞれ理想の上司を選出し、その中から理想の上司総合No.1を選出するという方法で行われています。対象は2017年の春に就職を予定している新卒男女1,109名で、調査期間は1月5日~11日でした。
<理想の男性上司総合ランキングTOP5>(敬称略)
1位:内村光良(ウッチャンナンチャン)
2位:タモリ(森田一義)
3位:池上彰
4位:原晋
5位:所ジョージ
<傾向>
1位となったのは、内村光良さんで、昨年5位からランクアップしています。芸能界の経歴も長く、テレビ番組の司会も数多く務め、その場全体に目を配りながら番組を進行できる統率力がありながら、優しいイメージで和やかな雰囲気を出せるようなところが評価されたのではないでしょうか。2位のタモリさん、3位の池上彰さん、5位の所ジョージさんと、番組の司会業で活躍している人が数多くランクインしています。
やはり、優しく周りを見守ることができる穏やかな人柄で、安心してその場を任せることができる人が人気なのでしょうか。4位の原監督は芸能人ではありませんが、他の方同様穏やかで親しみやすい人柄でありつつ、青山学院大学陸上部を駅伝三連覇へと導いた手腕が高く評価されたのでしょう。また、全体として長年その分野で活躍していて、常に実績を上げている人であるというのも評価の理由になっていると思われます。
<理想の女性上司総合ランキングTOP5>(敬称略)
1位:水卜麻美
2位:天海祐希
3位:吉田沙保里
4位:石田ゆり子
5位:有働由美子
<傾向>
1位となったのは、昨年ランク外から大きくランクアップしたアナウンサーの水卜麻美さん。お昼の情報番組での明るく元気なイメージが強く、職場の雰囲気を和やかにしてくれそうなところが人気につながったのではないでしょうか。2位は昨年1位だった女優の天海祐希さん。ドラマなどでのさばさばした男勝りなイメージが、信頼でき頼れそうな上司というイメージにつながっていると思われます。3位はレスリングの吉田沙保里さん。昨年のオリンピックでの涙が印象的でしたが、ただ強いだけでなく、人の気持ちが分かる実力者という点が評価されたのではないでしょうか。昨年ランク外で今年4位の女優・石田ゆり子さんは、昨年の人気ドラマでの優しく強い女性上司のイメージが高評価の理由と思われます。5位のアナウンサーの有働由美子さんは、朝の情報番組での司会も務めており、そこでの自由奔放な発言が人気となっていますが、そういった型にはまらないスタイルが職場を自由な雰囲気にしてくれそうと思われているのではないでしょうか。
「理想の新入社員」にはどんな人が選ばれている?
この調査の対象は2017年の春に就職を予定している新卒男女1,109名と、会社員・公務員・会社経営者・自営業者等の部下がいる社会人735名で、調査期間は1月5日~11日でした。ここでは上司側の意見にスポットを当て、部下がいる社会人の選んだ理想の新入社員のランキングを見ていきましょう。
<上司の選ぶ理想の男性新入社員総合ランキングTOP5>(敬称略)
1位:大谷翔平
2位:白井健三
3位:福士蒼汰
4位:錦織圭
5位:羽生結弦
<傾向>
全体的にスポーツ選手が人気となっています。1位に選ばれたのは、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手。22歳という若さでありながら、投手も打者もどちらもこなす器用さ、実力の高さが評価されているのでしょう。体操の白井健三選手、テニスの錦織圭選手、フィギュアスケートの羽生結弦選手、いずれも若くしてずば抜けた才能があるだけでなく常に努力も重ねているという点が、会社では即戦力かつまだまだ伸びる人材として求められていると思われます。3位に唯一俳優の福士蒼汰さんがランクインしていますが、そのさわやかな容姿から様々なドラマや映画に引っ張りだこという人気ぶりであり、同僚として同じ職場で働きたいというだけでなく、魅力的な営業マンとしても理想とされているのではないでしょうか。
<上司の選ぶ理想の女性新入社員総合ランキングTOP5>(敬称略)
1位:新垣結衣
2位:土屋太鳳
3位:石原さとみ
4位:高梨沙羅
5位:有村架純
<傾向>
女性は男性とは違い、女優の方が多数を占めています。1位の新垣結衣さんは、昨年話題になったドラマできめ細やかな仕事ができる家事代行業の女性を演じていましたが、他にランクインした女優さんたちも、ドラマの中の一生懸命ひたむきに頑張る女性というイメージが大きく影響しているのではないでしょうか。また、どの方も笑顔が印象的で癒されるような雰囲気を持っています。やはり、一生懸命ひたむきに頑張れる人、かつ笑顔で職場を明るくしてくれるような人が求められていると言えます。4位にランクインしたスキージャンプの高梨沙羅選手は唯一スポーツ選手ですが、20歳という若さでスキージャンプという精神力、集中力が特に求められる競技にひたむきに取り組んでおり、なおかつ数々の実績を上げているというところが評価されたのではないでしょうか。
上司として求められていること、気をつけるべきこと
今年のランキングの結果から、上司として求められていることを考えていきましょう。まず、職場全体をよく見て調和を保てるということです。そして、一人ひとりの部下の長所や短所を見つけ、長所は伸ばし、短所は正してくれることです。しかし、自分の意見を押しつけると敬遠されるので、断定的なきつい言い方はしないようにすべきです。部下の気持ちに寄り添いながら、優しく親しみやすい雰囲気で話しかけてくれるような人が求められています。それでいて、自分自身も実力があり、実績を積み重ねていることが必要であり、安心して頼れるような包容力も必要と言えます。
部下として求められていること、気をつけるべきこと
一方、部下として求められていることはなんなのでしょうか。まずは、とにかく努力できる人間であるということです。上司は可能性を持った人を求めています。能力が足りなかったとしても、そこで諦めてしまっては可能性がなくなってしまいます。なかなか結果が出なくても常に努力できる人であれば伸びしろはあるので、上司もサポートしたいと思うものです。また、現時点での能力が仮に高かったとしても、そこに甘んじるべきではなく、常に努力する姿勢を持たなければなりません。また、明るく笑顔で働けるような人は同僚のみならず顧客にも好かれるので、自然と実績につながっていきます。明るく笑顔で努力を忘れない人こそが、部下として求められていると言えるでしょう。
まとめ
今年の理想の上司ランキングは、統率力がありながら、穏やかで優しい人柄で、部下の気持ちを理解し和やかな職場を作ることができる人が選ばれています。また、理想の新入社員ランキングでは、実力を持ちつつも努力を忘れない、前向きな明るい人がランクインしています。理想の上司像、部下像は常に時代に合わせて変化していきます。変化に対応するのは難しいこともありますが、社会のニーズに常にアンテナを張ることが職場の改善につながっていくと言えます。
参考:http://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2015/pdf/20160222_01.pdf
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