税率や保険料率の変更を見逃さないための情報源
執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 | |
給与に関係する法令は毎年のように改正が行われます。正確な情報をいかに収集できるかがポイントになります。
ここでは、正確な情報をどのように収集するのか、またその具体的な情報源を見ていきましょう。
給与計算の情報を集めるにあたって注意するポイント
給与計算に関する情報をインターネットで集めている人も多いではないでしょうか? 確かに、最近は給与計算に関する記事を記載したブログ等も多く見られます。一般の人によるブログよりも、信頼のおける新聞や企業等のニュースサイトなどで確認することをおすすめしますが、その情報も直近の法律改正による税率や保険料率の変更に対応していなかったり、過去に掲載された古い情報だったりすることもあります。
では、どこで確認したらいいでしょうか?
カテゴリー別情報源一覧
ここでは、社会保険料や雇用保険料などのカテゴリー別に信頼できる情報源のサイトをご紹介します。
(1)社会保険
社会保険とは健康保険と厚生年金の2つを指します。
健康保険は「全国健康保険協会」が運営するものと「健康保険組合」が運営するものに分かれます。勤めている会社がどちらに加入しているかで、保険料率が異なります。
では、それぞれの特徴と主なウェブサイトを見ていきましょう
健康保険
【全国健康保険協会】
いわゆる「協会けんぽ」です。もともと社会保険庁で運営していた健康保険を全国健康保険協会が引き継いで、運営しています。各都道府県に支部を置き運営していますので、都道府県ごとで保険料率が異なります。企業と従業員の負担は半分ずつです。中小企業の多くは、全国健康保険協会に加盟しています。保険料率などの詳細は全国健康保険協会のHPで確認できます。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/
【健康保険組合】
健康保険組合とは、国の認可のもと、常時700人以上の被保険者数がある1つの企業が設立するもの(単一健康保険組合)や、合計の被保険者数が3,000人以上になる同業種の複数の企業が共同で設立するもの(総合健康保険組合)があります。その健康保険組合それぞれで企業と従業員の負担する割合を決めています。通常は企業が多く負担するため、従業員負担分は低く設定されています。1つの企業で運営している健康保険組合としては、パナソニックやトヨタ自動車の健康保険組合などがあります。
パナソニック健康保険組合: http://phio.panasonic.co.jp/
トヨタ自動車健康保険組合:http://www.toyotakenpo.jp/
同業種の複数の企業で運営している健康保険組合としては、関東ITソフトウェア健康保険組合や東京都自動車整備健康保険組合などがあります。
関東ITソフトウェア健康保険組合: http://www.its-kenpo.or.jp/
東京都自動車整備健康保険組合:http://toukyoutojidousyaseibikenkouhokenkumiai.or.jp/index.html
厚生年金
厚生年金は日本年金機構が管理・運営しています。厚生年金は平成29年まで毎年保険料率が改定されますし、平成28年10月から短時間労働者への保険加入の拡大など、比較的変更、改正が多いです。そのため定期的に情報の確認をしておく必要があります。保険料率などの詳細は日本年金機構のHPで確認できます。
https://www.nenkin.go.jp/index.html
雇用保険
雇用保険は強制保険制度のため、従業員を1人以上雇用している場合は加入が必要です。雇用保険についても保険料率の改正があることが多いです。直近でも、平成28年の保険料率の引き下げ、平成29年から65歳以上の労働者への適用拡大などの改正がありました。
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_guide.html
所得税
所得税は国が個人に対して課す税金です。所得税の税率の改定や、マイナンバーの記載が義務付けられている書類の確認、源泉徴収税額表など、給与関係の様々な情報も公表されています。国税庁がHPで各種情報を公表しています。
http://www.nta.go.jp/index.htm
左側にメニューバーがあります。新着情報を調べたり、所得税や源泉所得税など税目ごとの情報が調べられます。
住民税
住民税は都道府県や市区町村が個人に課す税金です。都道府県分と市区町村分を合わせて市区町村役場が徴収しています。従業員が居住地によって住民税の金額が異なりますが、すべての市区町村の情報が載った1つのHPはないため、情報を確認するためには、当該市区町村のHPを確認する必要があります。検索エンジンなどで「住民税 ○○市」といった単語を入れて検索してください。
まとめ
給与に関係する法令は毎年のように改正が行われ、正確な情報をいかに収集できるかがポイントになります。
インターネット上ではいろいろな情報が記載されていますが、その情報が最新かつ正確な情報なのかを判断する必要があります。一番確実な情報源は、その情報を発信している国や関係機関です。社会保険や雇用保険、所得税、住民税と押さえておく情報は多いですが、常に正しい情報を確認し利用する習慣を身につけましょう。
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