[2017年度版]ユニークな休暇制度が魅力の海外企業
執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 | |
海外の企業では、会社が独自で定めた魅力的でユニークな休暇制度を導入しているところが多くあります。
海外企業の考え方は、休暇制度は社員の勤労意欲や能率向上のためにあるものというものです。
それがひいては、会社のイメージアップにも繋がりますし、優秀な人材の確保にもつながる大事な制度です。
ここでは、ユニークな休暇制度が魅力の海外企業をピックアップしてみました。
これだけ長い!海外企業の長期休暇制度
海外の企業の休暇は、国内では考えられないぐらい長い期間のものがあります。
それがどのような内容のものか見ていきましょう。
Epicの1カ月間の長期有給休暇
アメリカに本社があるEpicは、主に医療用ソフトウェアなどを提供する会社です。自社の利益を従業員のために還元しようという考え方があり、それが休暇制度にも生かされています。この会社では、5年ごとに1カ月間の有給休暇が取れます。また、その休暇を使って海外旅行に行く場合には、従業員だけでなくその家族も含めてほとんどの交通費や宿泊費を会社が負担します。
参考URL:https://careers.epic.com/Home/Benefits
Adobeのサバティカル休暇
AdobeはPDFの閲覧ソフトなど、コンピュータソフトの製作などを主に手掛ける会社です。
Adobeでは、5年に1度使い方に制限がない、有給の長期休暇をとることができます。
しかも休暇は1か月以上もあります。
この休暇は連続で取得する必要がありますが、5年目で4週間、10年目で5週間、15年目以降5年ごとに6週間と勤務年数が多くなればなるほど、休暇期間が長くなります。
参考URL:http://benefits.adobe.com/time-away/sabbatical
家族も従業員と一緒!従業員の家族を大事にする独自の休暇制度
海外の企業では、従業員だけでなく、その家族も大事にする風潮があります。これは、家族も健康だからこそ従業員が会社で仕事に集中できると考えるからです。そのため、家族のための休暇制度が充実している企業も少なくありません。
Deloitteの「家族休暇」
Deloitteは世界最大級の会計事務所です。この会社は各国の支社で、従業員の生活と家族を大事にする制度を実施しています。その1つが、アメリカDeloitteの「家族休暇」です。
子供の誕生や、両親の介護などのために、最大16週間まで有給の「家族休暇」を取得できます。有給のため安心して家族の面倒を見ることができ、休暇終了後に仕事に集中できます。
参考URL:
http://www2.deloitte.com/us/en/pages/careers/articles/life-at-deloitte-benefits-and-rewards.html
Facebookの「赤ちゃんのための有給休暇と48万円の補助金」
Facebookは、SNSサービスを扱う会社です。いろいろな福利厚生や休暇制度があることで有名ですが、子育て面も充実。子どもが生まれた従業員に、最大4カ月分の有給休暇を付与します。しかも、赤ちゃんに対するいろいろな費用の代金として、4,000ドル(約48万円)を従業員に提供しています。
参考URL:https://www.facebook.com/careers/benefits/
ペットも家族の一員!ペットのための休暇制度
海外の企業では、なんとペットに関係する休暇制度があります。海外では最近、ペットは家族の一員と考え、家族が増えた場合と同様の休暇を与えるという考え方をとる人が増えてきました。この考えを、「パウタニティ・リーブ」といいます。
これをそんなペットのための休暇制度を見ていきましょう。
BitSol Solutionsの「パウタニティ・リーブ休暇」
BitSol SolutionsはイギリスにあるIT企業です。
この企業にはペットも家族の一員という考え方があり、ペットを購入したら3週間程度の休暇をとることが可能です。
社長自身、ペットを飼っており自ら先頭になって推進しています。
参考URL: (公開終了)
Trupanionの「ペット慶弔休暇」
Trupanionは米国第2位の犬・猫の医療保険を取り扱う会社です。この会社では、動物の医療保険の取り扱いという仕事上、ペットも家族の一員という考え方が強くあります。
そのため、社員の飼っているペットが亡くなった場合、慶弔休暇として有給の休みを1日分付与しています。
参考URL:http://trupanion.com/
http://miami.cbslocal.com/2016/03/14/some-companies-now-giving-days-off-to-workers-who-lose-pets/ (CBS)
まだあるユニークな休暇制度
今まで見てきた以外にもユニークな休暇制度が魅力の海外企業がたくさんあります。
そんな海外企業を見ていきましょう。
Expensifyの「1カ月間の社員旅行」
Expensifyは、主に経費の記録や支払いを管理するシステムなどを提供する会社です。この会社には、毎年1か月間の社員旅行があります。今までに、メキシコ、ベトナム、タイ、クロアチア、ポルトガル、およびカンボジアに旅行したそうです。
参考URL:http://we.are.expensify.com/
Thrillistの「無制限の病欠休暇」
Thrillistは、オンラインメディアサービスを提供する会社です。健康でないと良い仕事ができないとの考えから、病気が早く治るに越したことはないが決して急がないという「無制限の病欠休暇」制度を作りました。
参考URL:(2017年3月30日現在、リンク先のページがリニューアルしたためリンクが消滅)
まとめ
海外の企業では、日本の企業より、会社が独自で定めた魅力的でユニークな休暇制度を導入しているところが多くあります。その多くは、1か月を超える長期休暇であったり、家族やペットのための休暇だったりします。これは、仕事と休暇のワークバランスをよくすることが、会社のためにもなるという考えがあるからです。
海外企業の考え方は、休暇制度は社員の勤労意欲や能率向上のためにあり、それがひいては、会社の成長につながる。つまり休暇はとるべきものだというものです。
今後、日本の企業でもベンチャー企業を中心に海外と同じような休暇制度が広がっていくでしょう。これから休暇制度を考える企業は、海外の休暇制度を参考にしていみても良いかもしれませんね。
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