IT系資格も充実!教育訓練給付金の対象が2,223講座に拡大。

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 |

専門実践教育訓練の指定講座

教育訓練給付金の対象となる教育訓練のうち、「専門実践教育訓練」に新しく指定した講座を厚労省が公表しました。
 

2017年10月1日付で新規指定されたのは176講座で、合計2,223講座となりました。
 

「専門実践教育訓練」とは?

教育訓練給付金対象の教育訓練の一つです。
 

教育訓練給付金は、労働者の自主的な能力開発、中長期のキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的として、対象講座の受講で支払った費用の一部を支給する制度です。
 

専門実践教育訓練の対象となる講座を受講する場合、教育訓練経費の40%を給付金で賄うことができます。
 

細かな支給ルールは以下の通りです。

ただし、額が1年間で32万円を超える場合の支給額は32万円(訓練期間は最大で3年間となるため、最大で96万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されません。
専門実践教育訓練の受講を修了した後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された方又はすでに雇用されている方に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額を追加して支給します。
この場合、すでに給付された(1)の訓練経費の40%と追加給付20%を合わせた60%に相当する額が支給されることとなりますが、その額が144万円を超える場合の支給額は144万円(訓練期間が3年の場合、2年の場合は96万円、1年の場合は48万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されません。

 

支給対象は次の方です。

受講開始日現在で雇用保険の被保険者等であった期間が10年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、2年以上(※1))あること、受講開始日時点で被保険者(※2)でない方は、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大4年以内)であること、前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに10年以上(※3)経過していることなど一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給。
※ 1 平成26年10月1日前に旧制度の教育訓練給付金を受給した場合であって、初めて専門実践教育訓練を受給しようとする場合は2年、同年10月1日以降に旧制度の教育訓練給付金又は一般教育訓練給付金の支給を受けた場合は10年以上。
※ 2 被保険者とは、一般被保険者及び高年齢被保険者をいいます。以下、この項目において同じです。
※ 3 平成26年10月1日前に教育訓練給付金を受給した場合はこの取扱は適用されません。

 

なお、失業中の45歳未満の人が初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する場合などのケースでは、さらに追加で「教育訓練支援給付金」が支給されます。

専門実践教育訓練の「新講座」内訳

専門実践教育訓練の目的を大きく4つに分け、それぞれの講座数を表した表が下記となります。
 

看護師や社会福祉士の資格取得に始まり、MOTや高度なIT技術の資格取得に関する講座まで幅広くラインナップされています。
 

講座の目的追加講座数合計講座数
看護師、美容師、社会福祉士などの資格取得721,279
商業実務、情報処理などを専修学校で履修79770
ビジネス・MOT、教職大学院など専門職学位課程を履修83
特別の課程「保健」など大学等の職業実践力育成プログラムを履修1579
一定レベル以上のIT(情報通信技術)に関する資格取得を目標とした課程を履修1218

 

対象講座の一例

MOT等
IT系

まとめ

「専門実践教育訓練」の対象講座を受講すると、受講経費のうち40%を給付金で賄うことが可能です。
 

教育訓練給付金の対象となる「専門実践教育訓練」には、看護師や社会福祉士の資格取得に始まり、MOTや高度なIT技術の資格取得に関する講座まであります。
 

受給資格があり、自己啓発したい方は、ぜひ活用を検討しましょう。
 

出典