従業員に関連した助成金の代表的な種類と申請手続き

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

助成金がでるから・・・という言葉はよく耳にしますが、助成金と一言で言ってもその種類は様々あります。
厚生労働省のホームページを見てみると事業主のための助成金が数多く掲載されていますが、その種類は多岐に渡っており、知らなかったために申請を忘れ、慌ててしまう、ということが起こるかもしれません。
会社にとっても結果的には従業員にとってもメリットがある助成金なので、条件を満たした場合には忘れずに申請するようにしたいですよね。
今回は、忘れがちだけれど重要な助成金の種類と、その申請の手続きについてみていきたいと思います。

従業員を雇い入れた場合に受け取れる助成金とは?

助成金を受け取ることができる局面はいろいろありますが、その中でも主なものを見ていきたいと思います。
まずは、従業員を雇い入れた時の助成金です。

①高齢者や障害者などの就職困難者や、65歳以上の高年齢者を雇い入れた場合・・・特定求職者雇用開発助成金
ハローワーク等を通じて従業員を雇い入れ、継続的に雇用することが受給するための要件になっています。
②障害者を試行的・段階的に雇い入れる場合・・・障害者トライアル雇用奨励金
ハローワーク等を通じて従業員を雇い入れ、トライアル雇用の期間中は雇用保険に加入させることなどが、事業主側の受給の要件になっています。
③発達障害者や難治性疾患患者を雇い入れた場合・・・発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金

ハローワーク等を通じて従業員を雇い入れることが要件となっており、その後はハローワーク職員の現地訪問もあります。
上記でご紹介した以外にも、様々な助成金があります。新たに従業員を雇い入れる時には、該当する助成金がないかどうか、厚生労働省のホームページで要チェックですね。

キャリア形成促進助成金・キャリアアップ助成金とは?

従業員を雇い入れた後は、雇い入れた従業員のスキルアップ、キャリアアップを目指されることだと思います。
そういう時になじみの深い、2つの助成金を見ていきましょう。
まずは、キャリア形成促進助成金についてです。
内容を簡単にまとめると、次の4つのコースにあてはまる従業員の訓練を行った場合に、それぞれ助成金を受け取ることができます。

①雇用型訓練コース・・・OJT付きの訓練など(厚生労働大臣の認定を受ける訓練もあり)
②重点訓練コース・・・採用5年以内で、かつ35歳未満の若い労働者のための訓練や、成長分野に従事するための訓練など
③一般型訓練コース・・・①、②以外の訓練など
④制度導入コース・・・資格取得した従業員に褒賞金を支給する制度を導入し、実際に支給したり、社内検定制度を導入し、実際に実施したりした場合

受給を受けるには、あらかじめ訓練の計画書や制度導入の計画書などを提出することが要件となっています。
※厚生労働大臣の認定のOJT付き訓練を行うには、初めに厚生労働大臣の認定を受けることが必要。

次に、キャリアアップ助成金について見ていきたいと思います。
キャリアアップ助成金とは、契約社員を正社員化したり、契約社員に職業訓練を行ったり、給料を増やしたりした場合に受け取れる助成金となっています。
受給を受けるには、あらかじめキャリアアップ計画等を作成し、ハローワークなどの確認を受けることが要件となっていますので、注意が必要ですね。

受給のための要件は?

ここまで、なじみがある主な助成金について見てきました。
各助成金を受け取るための要件は、すでに上記で触れてきましたが、共通の要件はどのようなものがあるのでしょうか?
事業主の側の要件として、雇用保険適用事業所であること、支給のための審査に協力すること、支給の申請期間内に申請を行うこと、があげられます。
過去に助成金を不正に受給をした場合や、前年度までに労働保険料を納入していない場合は受給を受けることができない可能性がありますので、ご注意ください。

申請書の記入例と注意するポイント

いよいよ申請をしよう、というところまで来ました。
ここでは、上記でもご紹介しましたキャリア形成促進助成金とキャリアアップ助成金の申請書の記入例について見ていきたいと思います。
まずは、キャリア形成促進助成金についてです。
注意するポイントは次の通りです。

・申請書の2面は、特定分野認定実習併用職業訓練(建設業、製造業、情報通信業が実施する厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練)の場合に記入する。
・※印欄は、労働局記載欄なので記入しない。
・2欄には、その支給申請に係る訓練実施計画で届出た年間計画の期間を記入する。
・7欄には、賃金助成・OJT 実施助成の内訳と経費助成の内訳の合計額を記入する。
(それぞれの助成金によって、添付する様式が違うので、添付書類を要確認!)
・9欄には、申請する助成金以外に地方公共団体等から助成金や奨励金を受給している場合には、有に丸をつけて名称を記入する。
・2面の2欄には、訓練の実施計画に記載した年間職業能力開発計画の期間を記入する。

 

0001-9

0005

キャリア形成促進助成金
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000120754.pdf

 

 

次に、キャリアアップ助成金についてです。
・※印欄は、労働局記載欄なので記入しない。
・①欄には、労働局長の認定を受けた「キャリアアップ計画書」の受理番号を記入する。
・⑨欄は、人材育成コースについては、訓練計画届の提出時の企業規模にチェックをつける。
・⑫欄は、支給申請を行うコースについて、該当する番号にすべて丸をつける。

 

キャリアアップ助成金-記入例1

キャリアアップ助成金-記入例2

キャリアアップ助成金

[Word/PDF]

まとめ

ここまで、従業員の雇用に関する助成金の種類や申請書の記入例と注意するポイントについてみてきました。
助成金を受け取ることできる局面は、従業員を雇い入れた場合、従業員の職業能力開発のためのもの、障害者の雇用の安定のためのものなど多岐に渡っていますね。
まずは、どのような場合に助成金を受け取ることができるのかを頭に入れておくことが重要ですよね。
そして、その局面が出てきたら、厚生労働省のホームページで詳細を確認する、という方法がいいと思います。
申請書の書き方については、キャリア形成促進助成金とキャリアアップ助成金について、その記入例と注意する点について見てきました。期間を記載するところや、金額を記載するところなど、細かい点もありますので、ご注意ください。
その他、助成金を受け取るための要件や、申請書の様式、添付書類などは厚生労働省のホームページで調べることができますので、そちらも参照してみてくださいね。

キャリア形成促進助成金申請書一覧:

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000119441.html

キャリアアップ助成金申請書一覧:

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118801.html

 

 

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『人事労務の基礎知識』編集部
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株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。