給与計算をクラウドソフトで行う場合の メリット・デメリットとは
執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 | |
皆さんは給与計算にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
パソコンに給与計算のソフトをインストールし、タイムカードや出勤簿から1人1人のデータを入力するというイメージではないでしょうか? 実は、今はクラウドソフトを使うことで、そのような手間がなくなりつつあるのです。
ここでは、給与計算をクラウドソフトで行う場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
1.クラウド給与計算ソフトのメリット・デメリットとは
クラウドソフトを使って給与計算を行うメリット・デメリットを見ていきましょう。
<メリット>
①法令遵守のためにその都度バージョンアップの必要がない。
厚生年金保険料の料率が改定されたり、非課税通勤費の上限が改定されたりと、給料計算では毎年のように法令が改正されます。
パソコンにインストールして使用する給与計算ソフト(いわゆるデスクトップ版)の場合は、その都度バージョンアップ版をインストールする手間がかかります。クラウドソフトの場合は自動でバージョンアップされますので、その手間は全くありません。またバージョンアップのし忘れがなくなり、常に法令遵守ができます。
②WindowsだけでなくMacからでも操作できる。
デスクトップ版はOSが限られているものが多く、ほとんどのものがWindowsでは使えても、Macでは使えません。その点、クラウドソフトはネット環境を通じて操作するため、WindowsだけでなくMacからでも操作できるので幅広い人が利用できます。
③勤怠情報の入力などについて、給与計算を取り扱う部門だけでなく、従業員も一緒に利用できる。
クラウドソフトのメリットの一つに、時間や場所を問わず利用できることがあげられます。デスクトップ版のように、インストールされたパソコンからしか使えないということがありません。
従業員が自分のパソコンや携帯電話などを使って入力した、勤怠情報や住所も共有できます。別紙に記載された勤怠情報や住所などを再度、給与管理部門が改めて入力する必要がありません。
<デメリット>
クラウドソフトのデメリットとしては、自分の会社にあったカスタマイズができない場合があるということです。クラウド給与計算ソフトを選ぶとき、自社の状況にあわせてカスタマイズができるか注意しましょう。
2.クラウド給与計算ソフトを選ぶ際のチェックポイント
クラウド給与計算ソフトを選ぶ際は次のことに注意しましょう。
①自社の要件を満たしているか
給与計算は会社によって独自の体系の場合も多いです。住宅手当の有無や会社独自で定められている手当、家族誕生日休暇など休日以外の会社独自の休暇を設定できるか、締日、支払日を自由に設定できるかを確認しましょう。
②料金体系が自社に合っているか
クラウド給与計算ソフトの料金体系は単純な月額制、従業員数に応じた課金制などさまざまです。従業員100人の会社なら、このソフトを導入するとどれくらいコストがかかるかといった具合に料金体系は最初に調べましょう。
3.主要な給与計算ソフト
つぎに、主要な給与計算ソフトを見ていきましょう。
①MFクラウド給与
https://biz.moneyforward.com/payroll
株式会社マネーフォワードが提供するクラウド給与計算ソフトです。従来の給与計算ソフトに比べシンプルな作りになっています。
入力項目や登録項目が多いため、専門知識がある人にはわかりやすくて使いやすい仕様になっています。
②やよいの給与計算
https://www.yayoi-kk.co.jp/products/kyuyo/
弥生株式会社が提供するデスクトップ版の給与計算ソフトです。昔からある定番のソフトです。ある程度のカスタマイズが可能ですが、初期の設定などが多少複雑なため、どちらかというと、給与管理者向けのソフトです。
インストール製品のため、ネット環境が弱い場所で使うことが多い人にもおすすめです。
③Gozal 給与計算
株式会社 BECが提供するクラウド給与計算ソフトです。従業員がつけた勤怠記録を、そのまま給与計算で利用することができます。また、給与明細はPDFでメール送信可能なため、会社のバックオフィス業務をより効率化でき便利です。
入社時や退社時の社会保険、税務手続きの書類も自動生成できるため、労務や管理部門の担当者の負担を、大幅に減らすことができます。
まとめ
給与に関する法令は毎年改正があります。今までは、その都度バージョンアップを自ら行う必要がありました。
クラウド給与計算ソフトの場合、ソフト側で自動バージョンアップが行われるため、その手間が大幅に解消されました。WindowsだけでなくMacからでも操作できるため利用者も多くなるでしょう。また、様々な給与計算ソフトの登場により、利用者はより自分に合った給与計算ソフトを選択することができるようになりました。給与計算ソフトに利用者が合わせる時代は、昔のこととなりつつあります。
給与計算ソフトの多くは無料お試し期間を設けています。導入前にいろいろ試してみることをおすすめします。自社の要件を満たしているか、料金体系が自社に合っているかを考えたうえで、適した給与計算ソフトを選びましょう。
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