中国人に次いで多いのは?<100万人を突破した外国人雇用の内訳>

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

散らばる国旗

厚労省は、外国人雇用者の2016年10月末時点の実態とその内訳を公表しました。それによると、外国人労働者は「108万人」に達し、届出義務化以来最高を更新したとのことです。これは、前年同月比で約13.5%の増加となります。

中国人の次に多いのは、意外なあの国

「爆買い」ブームもやや落ち着いてきたものの、大型電器店やドラッグストアでは、まだまだ大量に買い物をしている中国人旅行者を見かけます。その流れに対応するように、近年店頭で顧客対応する店員スタッフに中国人労働者が増加しています。一番多い外国人労働者は中国人労働者。全体の約1/3を占め、前年同月比で6.9%増加しています。

国籍別の状況

  1. 中国 344,658人(全体の31.8%) [前年同期比6.9%増加]
  2. ベトナム 172,018人(同15.9%) [同 56.4%増加]
  3. フィリピン127,518人(同11.8%) [同 19.7%増加]
  4. ブラジル 106,597人(同 9.8%) [同 10.3%増加]
  5. ネパール 52,770人(同 4.9%) [同 35.1%増加]

中国人に次いで多いのは、ベトナム人。全体の15.9%を占めており、前年同月比の増加率は56%にも達しています。東京や大阪、福岡などの大都市ではベトナム人留学生が増加しており、彼ら/彼女らのアルバイト(パートタイム労働者)活動が、ベトナム人労働者の増加に大きく影響しています。ベトナム人労働者全体の中で、留学生が占める比率は43%にも達しています。

留学生が活躍する東京、製造業従事者の多い愛知・静岡

都道府県別で見ると、外国人労働者数が最も多いのは東京。それに次いで愛知県、神奈川県、大阪府、静岡県と続きます。

都道府県別の状況

  1. 東京 333,141人 (全体の30.7%) [前年同期比20.3%増加]
  2. 愛知 110,765人 (同10.2%) [同17.0%増加]
  3. 神奈川 60,148人 (同 5.5%) [同16.0%増加]
  4. 大阪 59,008人 (同 5.4%) [同28.7%増加]
  5. 静岡 46,574人 (同 4.3%) [同15.4%増加]

東京や大阪で最も多いのは、留学生によるアルバイト活動です。学生労働者が全体に占める割合は、東京では35.7%、大阪でも30.6%に達しています。

中国人留学生などのアルバイト雇用手続きで注意するポイント

愛知県や静岡県で外国人労働者が多い理由は、トヨタグループを筆頭とした、大規模製造業の工場での外国人雇用が活発なためです。両県とも、日系人等の「身分に基づく在留資格」を持った労働者が55%を超えています。

在留資格別の状況

  1. 身分に基づく在留資格 413,389人。前年同期比で46,178人(12.6%)増加。
  2. 資格外活動(留学) 209,657人。前年同期比で41,997人(25.0%)増加。
  3. 専門的・技術的分野 200,994人。前年同期比で33,693人(20.1%)増加。

ここで出てきた「身分に基づく在留資格」とは、以下の人たちのことです

  • 永住者:法務大臣が永住を認めるもの≪法務大臣から永住の許可を受けた者≫
  • 日本人の配偶者等:日本人の配偶者若しくは民法(明治29年法律第89号)第817条の2の規定による特別養子又は日本人の子として出生した者≪日本人の配偶者・実子・特別養子≫
  • 永住者の配偶者等:永住者の在留資格をもって在留する者若しくは入管特例法に定める特別永住者(以下、「永住者等」と総称する。)の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者≪永住者・特別永住者の配偶者及び我が国で出生し引き続き在留している実子≫
  • 定住者:法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者≪インドシナ難民、条約難民、日系3世、外国人配偶者の実子など≫

まとめ

アジア各国からの留学生による、アルバイト増加を主な背景とし、外国人労働者数が前年同月比で約13.5%の増加の108万人に達しました。特に、ベトナム人労働者の増加は前年同月比56.4%増と大変目立ったものとなっています。

外国人を雇用する場合、雇用手続きや給与計算等で注意すべき点がいくつかあります。外国人労働者の雇用を検討中の事業者の方は、社会保険労務士に相談されてみてはいかがでしょう。場合によっては「トライアル雇用奨励金」など、助成金・補助金の制度活用アドバイスを受けることができる場合もあります。

※データ出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)

外国人雇用に詳しい社会保険労務士

<社労士の横顔シリーズ> 永井知子氏(コスモポリタン インターナショナル HRソリューションズ)

<社労士の横顔シリーズ> 青木徹氏(富坂社労士事務所)

 

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株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。