事業所整理記号と健康保険証「記号」の変換方法

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 |

ひよこちゃん

事業所整理記号・事業所番号とは社会保険に加入した事業所に付けられる記号と番号です。今回の記事では、この「事業所整理記号」と「事業所番号」について詳しく説明します。

 

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事業所整理記号

事業所所在地名称変更通知書

「数字 – カタカナ」や「漢字 - ひらがな」で構成されています(図赤囲み部分)。

上の図は「適用事業所所在地名称変更変更通知書」ですので、変更前と変更後の事業所整理記号が記載されています。

健康保険が「協会けんぽ」の場合には、事業所整理記号は健康保険証に記載される「記号」と相互に変換可能です。

事業所整理記号と、健康保険証の「記号」の変換方法

事業所整理記号と、健康保険証の「記号」は、下記のように変換可能です。下図は東京のものですが「協会けんぽ ○○県 記号 変換」等のキーワードで検索すると、各都道府県の変換表の情報が得られますので、事業所所在地の変換表でお試しください。

協会けんぽ・東京都の記号変換表

変更前の事業所整理記号「 新 へわへ 」は、健康保険証の「記号」では「 55061306 」となります。

協会けんぽ・健康保険証の記号について

※今回の図に記載されているような、都内で事業所の住所を変更した場合は、事業所整理記号のみ変更されて、健康保険証の「記号」は変更されません。

事業所番号

社会保険 事業所番号
5桁の数字で構成される番号です。(図赤囲み部分)。

上の図は、事務所引越し時の「適用事業所所在地名称変更変更通知書」なので、変更前と変更後の、2つの事業所番号が記載されています。もちろん、有効なのは変更後の番号のみです。

事業所整理記号と事業所番号が必要になる場合とは?

事業所整理記号と事業所番号は社会保険に関わる手続には必ず必要になってきます。特に、下記の手続きは発生頻度も高く、重要な手続です。

  • 従業員に関わる手続:入社、退社、氏名や住所等の変更、家族の扶養追加や削除の手続書類に記入します。
  • 定時決定の手続き:社会保険の保険料は、会社が従業員に支払った給与の額を「標準報酬月額表(→協会けんぽの都道府県毎の保険料額表」から算出します。給与は昇級等で変化するため、毎年7月10日までに「算定基礎届」を管轄の年金事務所に提出し、その後1年間の保険料を決定しますが、その際の手続書類に記入します。
  • 随時改定の手続き:保険料は通常は社会保険加入時、または年に一度の定時決定で決定されます。ただし、給与が昇給や降給により大きく変動した際には、変動した月以後の3か月の平均を計算し、改定条件に当てはまった場合には、次の定時決定を待たずに「随時改定」手続きします。その際の手続書類に記入します。
  • 賞与の支払いをしたとき:賞与に係る保険料は、「標準報酬月額表」をもとに計算するのではなく、1,000円未満を切り捨てた賞与額に直接、保険料率を乗じて計算します。従業員に賞与を支給した場合、「賞与支払届」を提出しますが、その際は事業所整理記号と事業所番号が必要です。賞与月が近づくと、管轄の年金事務所から事業所整理番号と事業所番号が印刷された手続書類が送られてきます。

この他にも、事業所に関する各種手続で事業所整理番号と事業所番号が必要になる場合があります。各手続では記載漏れのないようにしましょう。

 
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