[2017年度版] 雇用促進税制の最新情報

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 |

雇用促進計画の提出手続き

厚生労働省のWebサイトで最新のパンフレット、及び様式(計画提出のためのフォーマット)が公開されました。

 
今回の記事では、雇用促進税制の現状についての紹介と、最新パンフレット、及び様式について説明します。
 

雇用促進税制の計画(申請)受付・達成状況

厚生労働省の、雇用促進税制のWebサイトでは、2011年度から2016年度までの計画(申請)の受付数と達成数を公表しています。公表値に基づいて作成したグラフが下記となります。
 
雇用促進税制の計画(申請)の受付・達成数の推移
 
2016年(平成28年)度は、前年度に比べて受付数が約1/10となっています。2016年の達成数はまだ公開されていませんが、同じように激減していると考えられます。
 ※2014〜2016年度の値は速報値を用いています。
 

計画(申請)の受付数達成数
2011年度30,0618,056
2012年度29,5677,058
2013年度39,7079,681
2014年度43,5379,180
2015年度42,9617,733
2016年度4,014

2016年度に受付数が激減(約1/10)している理由は、同年度から「同意雇用開発促進地域」と呼ばれる地域においてしか雇用促進税制の恩恵を受けられなくなったためです。

 

「同意雇用開発促進地域」を大まかに説明すると、東京・大阪・名古屋等の大都市圏を除く地域という説明になります。

 

大都市圏でも同意促進地域となっているケースもありますので、計画提出を検討される方は下記Webサイトで確認してください。
 
厚労省:地域雇用開発促進法に規定する地域

雇用促進計画提出の手続きパンフレット(平成29年度〜)について

雇用促進税制の恩恵を受けるためには、雇用促進計画を提出する必要があります。
 
2017年6月より公開された「雇用促進計画提出の手続きパンフレット(平成29年度以降に適用年度が開始する場合)」は、全20ページにわたり制度の概要、対象となる企業、計画書の書き方等を詳細に解説するパンフレットです。

パンフレットの主な内容(パンフレットの見出しより)

1.雇用促進税制とは

2.地方拠点強化税制における雇用促進税制とは

  1. 拡充型
  2. 移転型

3.対象となる事業主の要件

4.確定申告までの流れ

5.提出書類(計画開始(適用年度開始)時)

6.提出書類(計画終了(適用年度終了)時)

7.雇用促進計画の記入方法

  1. 計画開始(適用年度開始)時の記入方法~雇用促進税制及び地方拠点強化
     税制における雇用促進税制 共通のご案内~
  2. 計画終了(適用年度終了)時の記入方法 ~雇用促進税制~
  3. 計画終了(適用年度終了)時の記入方法~地方拠点強化税制における雇用
     促進税制~

8.注意事項

  1. 雇用者って誰のこと?
  2. 高年齢被保険者の取扱い
  3. 雇用者数の起算日はいつ?

雇用促進計画の様式(フォーマット)について

新しいパンフレットの公開にあわせて、計画提出時のフォーマットがExcel/PDFでダウンロードできるようになりました。備考には注意事項なども豊富に記載されおり、計画提出に役立ちそうです。
 
厚生労働省:雇用促進計画の様式

まとめ

雇用促進税制は、2016年度から大幅に適用地域が限定されました。東京や大阪、名古屋などの大都市圏では大幅に適用が制限されたためです。「雇用促進税制」が適用されない場合でも、他に適用される雇用関連の補助金・税控除がある場合があるので調べてみると良いでしょう。
 
参考情報