入社時の必要書類提出は14日以内にして、解雇予告手当を回避する
執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 | |
就業規則などで、入社後1ヶ月以内に入社時に必要な書類を提出することを規定している会社があります。期限を設けて、早く入社後の手続きを完了させるための規則ですが、入社時の必要書類の提出期限によってリスクが発生しますので、注意しましょう。
入社後に提出された書類で学歴詐称が発覚した場合
入社して必要書類の提出が遅れ、20日経過してやっと提出してきた書類を確認すると、面接や履歴書などに記載されていた学歴が嘘であることが発覚しました。これはひどい!ということで解雇することにしたとします。この場合、学歴詐称とはいえ即日解雇するためには平均賃金30日分の解雇予告手当を支払うことが必要となるのです。
14日以内に確認できていれば解雇予告手当は不要
もし、就業規則で「必要書類は入社後14日以内に提出する」とした場合には、14日以内に学歴詐称を発見できることになります。労働基準法第21条に解雇予告制度適用の例外として、雇用から14日以内に解雇した場合が挙げられているので、14日以内に解雇の事由に相当する事実が発覚したのであれば、解雇予告制度は適用されず、解雇予告手当を支払う必要もありません。
解雇予告除外認定という仕組みもある
雇用後14日経過後であったとしても、場合によっては解雇予告除外認定を労働基準監督署に認められ、解雇予告手当を払うことなく即時解雇ができる場合もあります。ただし、手続きが面倒なのであまりオススメできません。
入社時に提出させる必要書類はどのようなものがあるか
入社時に提出してもらう必要書類には、下記のような書類が挙げられます。
【新卒の場合】
- 履歴書
- 卒業証明証
- 成績証明書
- 健康診断書
- 職務経歴書
- 身元保証書
- 誓約書
- 年金手帳、年金手帳のコピー
- 雇用保険被保険者証、雇用保険被保険者証のコピー
- 源泉徴収票
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 健康保険被扶養者(異動)届
- 通勤経路、通勤費申請書
- 給与の振込依頼書
- 住民票記載事項の証明書
まとめ
会社のためにも1ヶ月以内ではなく14日以内に入社時の必要書類を出してもらい、問題発生時のリスクを回避できるようにしましょう。
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