競業禁止/守秘義務/解雇など、労働関連の裁判例を無料で確認する方法

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部

最高裁判所の近くで労働法について考えています

2017年6月16日に、厚生労働省から「平成28年度個別労働紛争解決制度の施行状況」が公開されました。
 

労働相談件数は9年連続で100万件を超えている状況で、その中でも民事上の個別労働紛争(※労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争)は約25万5千件の相談が寄せられています。

 
今回はこの個別労働紛争について、過去から現在までに積み重ねられてきた判例を無料で確認する方法を紹介します。
 

『確かめよう労働条件:裁判例』

確かめよう労働条件:裁判例 1-1

事業主側/労働者側の双方に対し、学習コンテンツの提供や相談機関の紹介を行う、厚生労働省『労働条件に関する総合情報サイト』。その中に『裁判例』コーナーがあります。
 

「労働条件の引き下げ」「仕事上のミスを理由とする損害賠償」「守秘義務」「競業禁止」といった今日的な話題にも対応したディレクトリ構成です。
 

確かめよう労働条件:裁判例 1-2

具体的な裁判例の骨子と、基本的な方向性について短い文章でシンプルに説明されています。
 

確かめよう労働条件:裁判例 1-3 

より細かい情報を参照するために、後に説明する『裁判例情報:労働事件裁判例』へのリンクが設置されています。
 

『確かめよう労働条件:裁判例』の良い点

  • ディレクトリ(カテゴリ)の分け方が素人にも直感的に理解しやすく、情報を探しやすい
  • 重要な裁判例のみ厳選して掲載されているため、初心者でも迷うことがない
  • 裁判例の解説が、シンプルで分かりやすい
  • 重要な裁判例のみ厳選して掲載されているため、初心者でも迷うことがない
  • 新着情報がわかりやすい

 
『確かめよう労働条件:裁判例』のWebサイト
 

『裁判例情報:労働事件裁判例』

個別労働関係紛争判例集 2-1

厚生労働省所管の独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が提供する、労働事件関連の栽判例集です。
 

個別労働関係紛争判例集 2-2

キーワード検索すると、Googleライクな結果リストが表示されます。リスト中の判例間で比較できて便利です。
 

個別労働関係紛争判例集 2-3

裁判例紹介ページの冒頭には「ポイント」が箇条書きされており、判例の意味を即座に把握できます。
 

個別労働関係紛争判例集 2-4

最後に「帰結」や「近年の動向」等が記載されています。初心者の方は、冒頭の「ポイント」と最後の部分を先に読んでから、細かな内容を追っていくと理解しやすいでしょう。
 

『裁判例情報:労働事件裁判例』の良い点

  • Googleライクな検索がシンプルでわかりやすい
  • 画面右側のディレクトリ機能は網羅性があり関連する判例を参照しやすい
  • 裁判例の解説に過不足がない
  • 裁判例の解説を、第一線の専門家が記載しているため信頼性が高い
  • 全体的に掲載されている情報量と質のバランスが良い

 
『裁判例情報:労働事件裁判例』のWebサイト
 

『裁判所:労働事件裁判例』

裁判所:労働事件裁判例 3-1

裁判所(最高裁判所)が提供する、労働事件関連の栽判例集です。全文検索の他、裁判所名や事件番号、事件名など専門的な条件で検索できます。
 

裁判所:労働事件裁判例 3-2

検索結果リストに表示される裁判例の数は、先に紹介したサイトのに比べてると多いです。
 

裁判所:労働事件裁判例 3-3

判例の詳細はPDFで提供されます。
 

『裁判所:労働事件裁判例』の良い点

  • 事件番号や事件名などの専門的な条件で検索できる
  • 全文検索の際に、AND/ORを設定して細かな検索ができる
  • 裁判例の数が多い
  • 裁判所が提供する情報なので信頼性が高い
  • 判例情報がPDFで提供されるためプリントアウトして利用しやすい

 
『裁判所:労働事件裁判例』のWebサイト
 

まとめ

2016年度は、労働条件などの民事上の労働紛争についての相談件数が25万件以上だったと厚生労働省が発表しました。

過去の裁判例は、労使双方が話し合うにあたっての羅針盤となり得ます。

今回紹介した3つの裁判例紹介サイトは、それぞれに特徴があります。特に厚生労働省の提供する『確かめよう労働条件:裁判例』は、一般の労働者や、使用者にも分かりやく編集されていますので、紛争が起こる前に一通り目を通しておくと安心です。

 
参考情報

 

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『人事労務の基礎知識』編集部
『人事労務の基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。