人事業務の効率化にはDXがおすすめ!おすすめのシステムも紹介!
執筆: Saas辞典編集部 | |
少子高齢化が進んでいることから労働人口が年々減少しており、多くの企業が慢性的な人材不足に直面しています。
そのため、業務の効率化を図り従業員の生産性を高めることが、企業規模を問わず求められています。
しかし、 会社の基盤となる人事業務の効率化を進めたいと考えるも、何から始めたら良いかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、人事業務を効率化するための準備と手段、効果的なITツールやシステムを説明していきます。
さらに、人事業務の効率化におすすめの人材管理システムと改善事例についても紹介します。
ぜひ参考にしてください。
- 人事業務とは、経営資源の1つである「ヒト」に関連する業務全般のこと
- 人事業務を効率化するには、まず業務内容を洗い出し効率化する業務を検討する
- 人事業務を効率化するための手段は、ペーパーレス化の推進、業務フローの構築等
- ExcelやITツール、システムを活用することで人事業務の効率化が進む
- 人事業務の効率化におすすめの人事労務システムは、「COMPANY」
人事業務とは
人事業務とは、企業にとって重要な経営資源の1つである「ヒト」に関連する業務全般のことを指します。
例えば、
- 従業員の働きを適正に評価できるような制度作り
- 新入社員や中途採用の従業員が働きやすい環境やマニュアルの整備
- 就業規則や賃金規定の策定
このような業務のことです。
また、人事業務は大きく「人事管理」と「労務管理」の2つに分けることができます。
詳しく見ていきましょう。
人事管理と労務管理の違い
人事管理と労働管理には以下のような違いがあります。
- 人事管理:人事評価、人材採用などの「ヒト」に関わる業務
- 労務管理:給与計算、各種保険手続きなどの「労働環境」に関わる業務
一方で労務管理は、従業員が安心して働ける労働環境を整え、生産性を向上させることが主たる目的です。
効率化できる人事業務
効率化できる人事業務は3つに大きく分けることができます。
企業によって業務内容や範囲は異なりますが、これらの業務の生産性を向上させることで効率化が進むでしょう。
- 人事計画:自社にはどのような人材がどの程度必要かといったことを計画し、組織の生産性を最大化することが目的
- 人材採用:人事計画に基づき、自社に必要な人材の採用から入社後のフォローまで行う業務
- 人事評価:客観的かつ公正な従業員の評価、育成方針の決定、モチベーション維持などを行う業務
人事業務を効率化するためにまずやる事
人事業務を効率化するためにはさまざまな方法や手段がありますが、どれも一朝一夕で行えるほど簡単ではありません。
そして、効率化を取り組む前に準備してから実施することで、円滑かつ順調に効率化を進めることができます。
ここでは準備段階にやるべき項目を2つ紹介します。
業務内容の洗い出し
まずは現在の人事業務の作業内容や作業工程、対応人物・時間を洗い出すところから始めましょう。
人事業務の内容は幅広いため、見落としや漏れがないように注意をしながら慎重に進めることをおすすめします。この作業が効率化を進めるうえでの土台になり、この先に影響していくためとても重要な部分です。
効率化すべき業務の検討
全ての業務をいきなり効率化することは現実的ではありませんよね。
そのため、洗い出した作業内容や工程から効率化ができそうな業務を検討します。
まずは、コスト面で難しいといった実現性は気にせずに効率化(業務改善)ができるかどうかの視点で検討することがポイントです。
検討案を出したうえで、それを実施するための施策を考え、最も効果的で実現性が高い方法を選択するとうまくいきやすいです。なお、検討するときは以下のような視点から考えると良いでしょう。
- 無駄が多い業務
- 不要な業務
- 特定の人物しか対応できない業務
- 外注やシステム導入ができそうな業務
- 定期的に発生する業務
人事業務を効率化するために有効な手段
それでは人事業務を効率化するために有効な手段を5つ紹介します。
効率化したい業務や自社と相性の良い手段を選ぶと良いでしょう。
これらを参考にすることで、効果の出る業務効率化を目指してください。
定型業務と非定型業務の分離
人事業務に限りませんが、基本的にどんな業務も「定型業務」と「非定型業務」に分けることができます。
効率化を図るうえでは、行っている業務がどちらに該当するのか振り分けることがポイントです。
- 定型業務:作業内容に一定のパターンがあり、手順が決まっている業務※請求書作成など
- 非定型業務:決まった答えがなく、個人の思考力や経験からクリエイティブが要求される業務※採用方針の制定など
定型業務は、比較的誰にでもこなせるような業務が多いことからマニュアルの作成やシステムの活用で外注や自動化が可能です。
そして、 これまで定型業務をこなしていた従業員を非定型業務に移動・集中させることで業務の効率化が図れます。
ペーパーレス化の推進
ペーパーレス化とは、これまで紙で運用していた文書・資料などを電子化することで、紙の使用を減らすことです。紙で管理をしていると以下のような問題点があります。
- 情報の共有・取り出しに時間がかかる
- 保管スペースが必要で破棄にも手間がかかる
- 資料配布には印刷時間とコストが必要になる
- 文字や文章の検索に時間がかかる
これらの問題はペーパーレス化によって解決します。
時間的コストが削減されるため、業務の効率化が進むでしょう。
年間スケジュールの作成
事前に綿密な年間スケジュールを立てることも業務効率化につながります。年間スケジュールを立てることで繫忙期と閑散期があらかじめ予測できるので、業務の振り分けや調整が行いやすいです。
計画的に業務量を調整できることから、担当者の負荷が減ることも期待できるでしょう。
また、スケジュールを社内全体で共有すれば、人事部・総務部の動きがわかるようになるため、他部署からも配慮や協力が得られる確率が上がります。
業務フローの構築
人事業務の効率化を目指す上で重要になるのが、属人化の防止です。
つまり、いずれの業務においても特定の従業員にしかできないという状況を避け、部門内の人間であれば誰でも対応が可能な環境を作ることです。
専門的な知識や経験が求められる人事業務は、特定の従業員に業務が偏り、不在時には業務が滞ってしまうことも少なくありません。
これらを解決するための手段として有効なのが、業務フローの構築です。
業務の流れや作業手順をまとめてマニュアルを作成すれば、業務負担の軽減や共有により効率化につながります。その他にも以下のようなメリットもあります。
- 業務フロー構築のメリット
- 繫忙期や担当者の不在・退職時も業務が進められる
- 担当者による業務のバラつきが減り、全体のクオリティが上がる
アウトソーシングサービスの活用
業務の一部もしくは全てを外部に委託する経営手段のことをアウトソーシングと呼びます。
近年では、人材不足の解消や費用削減などの解決をする手段として、アウトソーシングサービスを活用する企業が増えています。
費用対効果や依頼範囲などを事前に考慮する必要がありますが、 アウトソーシングは活用の幅が広いので、業務の効率化に向いていると言えるでしょう。
- 社会保険や税金などの専門知識が必要な業務
- ノンコア業務全般
- 年末調整や入退社手続きなどスポットで対応が必要な業務
人事業務の効率化を助けるツール・システム
ツールやシステムを活用することで人事業務の効率化をより円滑に進めることができます。
ここでは効率化に向けて便利なツール・システムを紹介するので参考にしてください。
Excel
一番手軽なツールとして挙げられるのが、Microsoft Excelです。
Excelには、業務を効率化するための機能が備わっており手軽に電子化できます。インターネット上では業務に合わせて便利なテンプレートも公開されており、ある程度の知識があればマクロによる自動化も可能です。
また、Excelは既に利用している企業も多いことから、導入や教育といった余計なコストが発生しないこともメリットでしょう。
ただし、使用ルールやファイル管理を徹底しないとデータが崩れてしまうので、大規模な企業には向いていません。
各種ITツール
業務効率化を手助けするITツールは目的別に数多く存在しており、導入している企業も少なくありません。
ここでは、代表的なツールやサービスを紹介します。
- チャット・ミーティングツール:Zoom、Chatwork、Slackなど
- ファイル共有ツール:Dropbox、OneDriveなど
- メモ共有ツール:Evernote、Stockなど
- プロジェクト管理ツール:Backlog、Redmineなど
- 名刺管理ツール:Eight、Sansanなど
うまく活用すれば業務効率化につながり、無料バージョンもあるので導入をおすすめします。
人事労務システム・採用管理システム
人事業務を抜本的に効率化するには、専用システムの導入も選択肢の一つです。システムを導入すれば、全般的な業務の効率化を実現し人的ミスを防止できるなどのメリットもあります。
- 人事労務システム:勤怠管理や給与計算など人事業務を効率化するシステム全般
- 採用管理システム:あらゆる採用業務の効率化・自動化ができる採用に特化したシステム
具体的人事労務システムについては次の章で詳しく説明しているので、合わせて参考にしてください。
人事業務の効率化におすすめの人事労務システム5選
人事業務の効率化におすすめの人事労務システムを5つ紹介していきます。
参考費用や特徴、導入事例を中心にまとめているので参考にしてください。
それでは、順番に見ていきましょう。
またおすすめの人事労務システムは以下の記事でも紹介しているのでぜひお読みください。
COMPANY
出典:https://www.works-hi.co.jp/
COMPANYは、株式会社Works Human Intelligenceが提供している人事労務システムです。
大手企業法人に必要な機能が全て搭載され、大手の約3社に1社が導入していてシェアNo.1を誇るのがシステムの大きな特徴です。
約1,200社に導入したこれまでのノウハウをもとに、カスタマイズの必要がなく(追加費用なし)設定を変えるだけでニーズに対応できる強みがあります。
また、法改正やビジネストレンドが変わった際のバージョンアップは無償対応なので、導入後もコストが発生せず常に最新の状態で利用できます。
そのため、導入した多くの企業が満足しており、年間継続率は98%、10年以上継続している企業も600法人と高い評価を受けているシステムです。
初期費用 | 要問い合わせ |
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参考料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ |
特徴 | ・日本の大手法人約3社に1社が導入し、シェアNO.1を誇る ・年間継続率98%、600法人が10年以上継続利用 |
導入企業 | キリンビジネスシステム株式会社、国立大学法人弘前大学、株式会社三井住友フィナンシャルグループなど |
SmartHR
出典:https://smarthr.jp/
SmartHRは、SmartHRが提供している人事労務システムです。
勤怠管理や給与計算、チャットツールなど40以上の外部サービスと連携できることがシステムの特徴です。
既存データを同システムに移行することも、外部サービスに受け渡すことも可能で、CSVでの取り込みやOpen APIによるシームレスな連携もできます。
登録者数5万以上の実績を持ち、2名~数万規模まで幅広い企業が利用しています。
また、小規模企業の人事・労務改革を後押ししており、利用者が30名までの場合は無料の0円プランもあるため、スタートアップ企業にもおすすめです。
初期費用 | 無料 |
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参考料金 | HRストラテジープラン 人事労務エッセンシャルプラン 人材マネジメントプラン 0円プラン(利用人数30名まで、機能制限あり) ※料金は要問い合わせ |
無料トライアル | あり:15日間 |
特徴 | ・40以上の外部サービスと連携可 ・登録者数5万社以上と多くの企業が利用 |
導入企業 | 株式会社ZOZO、スマートニュース株式会社、株式会社KADOKAWA Connectedなど |
One人事
出典:https://onehr.jp/
One人事は、One人事株式会社が提供している人事労務システムです。
分散しがちな人材情報や目標の一元管理が可能で、従業員の経歴・スキルや保有資格といった人事情報を正確かつ瞬時に把握できるのが特徴です。
また、誰でも使いこなせるような簡単なシステム操作設計になっているので、初めて導入する場合でも安心して利用できるでしょう。
その他、MBO、コンピテンシー、OKRなどさまざまな評価方法のテンプレートが用意されている点もおすすめのポイントですね。
初期費用 | 要問い合わせ |
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参考料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | あり |
特徴 | ・人事情報の一元管理により従業員の経歴を正確に把握できる ・誰でも使いこなせるような簡単な操作性 |
導入企業 | CTCシステムマネジメント株式会社、日本毛織株式会社、第一環境株式会社など |
freee人事労務
出典:https://www.freee.co.jp/
freee 人事労務は、freee 株式会社が提供している人事労務システムです。
業界業種、また企業規模を問わずさまざまな企業が導入しているのが特徴で、クラウド会計ソフトではシェアNo1を獲得する実績も持っています。
システムの全機能がまとまったマニュアルの完備、システムを使いこなすための習熟コンテンツの用意がされているのも嬉しいポイントです。
さらに、サポートデスクの設置や導入アドバイザリーも在籍しているため、わからないことがあっても気軽に聞くことができます。
初期費用 | 0円 |
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参考料金 | ベーシック:4,480円(月額) プロフェッショナル:9,280円(月額) エンタープライズ:要問い合わせ |
無料トライアル | あり:30日間 |
特徴 | ・業界業種を問わずさまざまな企業で導入されている ・マニュアルが完備され、初心者でも使いやすい設計 |
導入企業 | ラクスル株式会社、株式会社山本商店、株式会社タイセイなど |
ヒトマワリ
出典:https://www.hitomawari.jp/
ヒトマワリは、株式会社Touch&Linksが提供している人事労務システムです。
ユーザー目線に立った手厚いサポート体制が売りで、営業とカスタマーサービスそれぞれに専属の担当者がつくのが特徴です。
システムの導入から運用まで撤退したサポート体制に魅力を感じてヒトマワリを選んだ企業も少なくありません。
自社だけで運用していくことに不安がある場合や、初めてのシステム導入でわからないことが多い企業には特におすすめと言えるでしょう。
また、初期費用は0円、月額1万円からと人材データの一元管理が比較的安価にできる点もメリットです。
初期費用 | 0円 |
---|---|
参考料金 | スタートプラン:月額1万円~ スタンダードプラン:月額6万円~ |
無料トライアル | 要問い合わせ |
特徴 | ・専属の担当者がつく手厚いサポート体制 ・比較的安価に人材データの一元管理を実現 |
導入企業 | 株式会社FCE Holdings、株式会社ひらまつ、社会福祉法人 江寿会など |
人事労務システムの導入による人事業務の改善例
最後に人事労務システムを導入したことで成果・改善につながった企業の事例を紹介します。
ここでは、上記で紹介した「COMPANY」と「SmartHR」の2システムの事例をピックアップしました。
山崎製パン株式会社/COMPANY
出典:https://www.yamazakipan.co.jp/https://works-hi.co.jp/customer/yamazaki
山崎製パン株式会社は、パンを中心に和菓子、製菓、米飯類の製造販売を行っている東証一部上場(プライム)企業です。
- 法や制度改正がある度に見積り取得から稟議申請の流れがあるため時間がかかる
- 各社それぞれの改善すべき課題を指摘し変えていくことに難しさを感じていた
- 業種業態の異なるグループ会社の情報を一元管理できるシステムが導入の理由
↓ ↓ ↓
- 自社でシステム設定を行えるため、スピード感を持った対応で圧倒的な時間短縮を実現した
- 人事情報を高い水準で管理でき、人事部門の生産性が上がった
- グループ全体を1つのデータベースで管理し、仕組みの部分から改善できる土台ができた
山崎製パンは、業態業種の異なる20社以上のグループ会社を抱えており、余分なコストをかけないためにも情報の一元管理ができるシステムが必須でした。
また、原則として追加コスト不要、システム設定は自社で行える点も同社の掲げる方針とマッチしていたことから導入に至っています。
今後もCOMPANYを活用しつつ、個人の各種申請業務を外部からタブレットやスマートフォンなどで申請できるようなWeb化の促進を考えています。株式会社メルカリ/ SmartHR
出典:https://about.mercari.com/https://smarthr.jp/case/2537
株式会社メルカリは、フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用を行っている東証一部上場(プライム)企業です。
- 従業員の入退社の手続き業務が煩雑でタイムラグも生じる
- データの入力ミスや漏れが多く、管理にかかる負担が大きい
- 社保の手続き、個人情報収集に特化したサービスかつユーザー側の意見を受け入れてくれた
↓ ↓ ↓
- 入退社の手続きが円滑に進み、タイムラグもなくなった
- 正しい情報が集まりデータの取り込みだけでデータベースが完成するようになった
- 柔軟な対応や要望に対する改修が早く、業務効率化につながっている
メルカリ社では、もともと人事労務サービスに苦手意識を持っており、あまり期待していませんでした。
しかし、SmartHRに社保の手続きなどに特化したサービスがあることを知ったことがきっかけで相談をしました。
そこで、ユーザー側の意見を聞いてくれるなど親身な対応により、サービスのイメージが一新され導入を決めています。
導入後もこれまで煩雑だった業務が効率化されるなど、手間や負担の軽減に成功しています。人事 業務 効率化まとめ
今回は、人事業務を効率化するための準備と手段、効果的なITツールやシステムを中心に説明してきました。
人材不足の課題に加えて、働き方改革の推進やコロナウイルスによる就業環境の多様化などさまざまな変化が起きています。
健全な成長を目指し、企業を継続的に持続させるためにも業務の見直し・改善による効率化を行う必要性も出てくるでしょう。
また、今のところ問題は起きていないと感じている部分に無駄や改善のポイントが隠れているかもしれません。
ITツールやシステムも活用しながら人事業務の効率化を効果的に目指しましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。
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