「テレワーク」の実態。みんなどう思っている?〜働き方改革意識調査 1/3〜

執筆: 『人事労務の基礎知識』編集部 |

「働き方改革」について、企業と労働者はどう考えているのか?そんな疑問を解決するヒントとなる調査レポートが、独立行政法人・労働政策研究・研修機構より発表されました。今回の調査は、企業側から2,505件、労働者側から12,839件の回答を集計した大規模なものです(ページ下部に概要あり)。

 
今回から3回シリーズで「働き方改革」文脈で頻出するキーワード「テレワーク」「AI」「副業」の実態について、及び企業側/労働者側ともにどう思っているか紹介します。
 
1回目の今回は「テレワーク」についてです。
 

テレワーク実施企業は、どの程度あるのか?

テレワーク実施企業:12.2%

内訳は下記の通りです

  • 4.5%:会社の就業規則に記載があるなど会社の制度として認めている
  • 7.7%:会社の制度はないが上司の裁量や習慣として実施している

企業が認める「テレワーク」とは?

認めている「テレワーク」の種類を調査したところ、下記の回答となりました(複数回答)

  • 52.0%在宅勤務(週の何日か事業所に出勤せず在宅で作業。SOHO含む)
  • 57.6%モバイルワーク(会社サーバーにアクセスし場所に依存せず業務。営業職など
  • 4.3%:その他

どんな人がテレワークしているのか?

テレワーク経験の有無について労働者に調査したところ、過去3年間で実績があったのはわずか2.8%でした。

 
部門別に見ると、営業(55.1%)や、人事・労務・総務(23.9%)に許可を与えている企業が多いことがわかります。

 
実際にテレワークを活用した労働者側の理由は「仕事の効率性を上げたいから(54.4%)」が最も多く、「特定の職種・職務の性格上必要だから(37.2%)」と続きます。
意外にも「育児・介護の事情があったから」は16.7%と低い数字となっています。

「テレワーク」実施の企業側目論見と満足度は?

企業が「テレワーク」を導入した理由は、「従業員の移動時間の短縮・効率化(54.3%)」が最多で、「定型的業務の効率・生産性の向上(52.6%)」、 「仕事と育児・介護など家庭生活の両立支援(38.8%)」と続きます。

グラフを見ると「理由」と「効果」の値は接近しており、企業側の満足度は高いことがわかります。

労働者側の「テレワーク」満足度は?

 
従業員側も、テレワーク経験が「ある」と回答した人のうち、「満足」は81.1%と高い値です(合計値)。
 

「テレワーク」の課題は?

企業側が感じる課題

テレワーク実施企業の回答では「労働時間の管理(把握)が難しい(53.9%)」、「仕事の進捗状況などの管理(把握)が難しい(33.6%)」など、従業員管理について課題を抱えている企業が多いという結果がでています。
未実施企業の場合、未実施理由で多いのは「テレワークに適した職種(仕事)が少ない(70.9%)」が最多となっています。


 
従業員管理の実態は、下記のような現状となっています。

リモートワークの従業員管理について、さまざまなサービス・ソリューションが望まれていることがわかります。

 

労働者側が感じる課題

「特に課題はない(31.1%)」が最多で、「労働時間が長くなってしまう(28.3%)」 が続きます。この回答からも、従業員側の満足度が高いことが伺えます。

まとめ

リモートワークは、企業側/従業員側ともに満足度が高いという結果が出ています。しかし従業員管理について課題を感じている企業も多いようです。
今後、リモートワークに関連した従業員管理のサービス・ソリューションの登場が望まれています。
 

調査概要・出典

【調査概要】

  • 「イノベーションへの対応状況調査」【企業調査】
  • 「イノベーションへの対応に向けた働き方のあり方等に関する調査」【労働者調査】

このレポートは2017年1月30日から1ヶ月間、下記対象に行われたアンケートを集計したものです。

  • 企業側:100人以上雇用する全国の企業(有効回収数:2,505件/12,000社)
  • 労働者側:上記企業ごとに8人(有効回収数:12,839件/96,000人)

 
【出典】

 

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